画狂其一

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画狂其一

  • 著者名:梓澤要
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • NHK出版(2017/11発売)
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  • ISBN:9784140056936

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内容説明

現代美術にも通ずる大胆な空間構成が高く評価され、欧米の美術界で江戸琳派の旗手として広く知られる鈴木其一。酒井抱一の内弟子として画業をスタートした其一は、師の死後、どのようにして「夏秋渓流図」「朝顔図屏風」のような奇想の絵を描いたのか!? 絵師としての苦悩、波瀾に満ちたその生涯を描く歴史小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のぶ

69
幕末の絵師、鈴木其一の半生を描いた物語。この絵師については自分に知識がなかったので、絵を検索しながら読んだ。色鮮やかな植物画が多かった。尾形光琳に傾倒し、酒井抱一に弟子入りして絵を描き始める。其一自身の気持ちの描写があまり深くないので、本人が本当は何を考えているのか分かり難い部分はあるが、とにかく絵が好きで、後に伊藤若冲、葛飾北斎、歌川広重ら当時の有名絵師の影響を受け、作風も変化していった事は良く分かる。「若冲」「眩」等、江戸の絵師の物語の名作は多いが、本作もその仲間入りしてもおかしくない作品。2017/12/30

booklight

45
ここ最近琳派の一人として注目されるようになった鈴木其一。藍職人の息子として生まれ、酒井芳一の弟子となり、やがて自ら画風を確立していく様子を描く。絵のビジネス面や人間関係も描かれているため、単なる絵の話に留まらない。工房の責任者として経営者然とすることもあれば、芸術家として作品に立ち向かいもする。破滅型というより管理型の面が強く、普通の才人がどのように生きたかが伝わってきた。『朝顔図屏風』『夏秋渓流図』『群鶴図屏風』など、その技量と器用さと狂気が混在したような絵は、まさに其一。二度見してしまう魅力がある。2021/09/25

星落秋風五丈原

35
河鍋暁斎とのつながりにびっくり。其一が画狂というより周辺の絵師たちの方がよっぽど画狂らしい。主人公が地味。2021/05/24

35
琳派の中でも大好きな鈴木其一さん。内容は少し散漫で読みづらかったけど同じ時期に師の酒井抱一を始め若冲、北斎、広重らがいるなんてとんでもない時代だと思った。そして其一の次女が嫁いだのが河鍋暁斎というのを知りびっくり。2017/12/10

真理そら

31
有名な朝顔図は美しい色彩で描かれているのにも拘わらず、なぜか禍々しい雰囲気があって魅力的だ。抱一の弟子であり、兄弟子の死後、鈴木家を継ぐために養子入りという境遇は其一を抑圧していたのかもしれない。そういう諸々がふっきれる過程があの禍々しさにつながるのかもしれない。『麗しき花実』(乙川優三郎)に登場する其一とその続編『渓声』(乙川)に登場する其一の違いを説明してくれた気のする作品だった。作家が違うのに其一像が似ているのが興味深かった。2018/03/08

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