内容説明
なぜ日本人は好んで描かれたのか? なぜ芸者なのか? なぜサムライなのか?──いまだに続くステレオタイプな日本像の淵源を、世紀末パリで上演された演劇を素材に考察。日本文化の高い影響力という通説を問い直し、ジャポニスム像を一新する!
※本文内にカラーページあり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キリル
7
ジャポニスムが流行した19世紀、大衆が日本をどう見ていたのかを当時の娯楽の花形だった演劇とそこで表現された<日本女性>に注目して幻想的ともいえる<日本>と<日本女性>へのイメージがどのように形成され、どう大衆の理解に影響を与えたのか解説されています。当時のイラストやレビューから人々が何を見てどう感じたのかが生の意見として強く伝わってきました。観光立国として世界に<日本>を売り込んでいますが、その「経済効果」を優先して歴史や文化の背景を深慮せずに商品として<文化>を売り込む危険性というものを感じました。2017/10/26
ちり
0
“日本は近代化(脱亜入欧)という方法で西洋に近づき、互いは共通点をより多く持つようになるが、そのため文化の上での日本への素朴な好奇心は次第に希薄になってくる。日本はエキゾティックな魅惑の国ではなくなり、イメージ操作の上でも西洋世界にとって意のままにならなくなった/日本は愛すべきエキゾティックで遅れた国であることをやめ、危険に満ちた狡猾な国へと変貌していく”2017/10/31
lovejoy
0
★★2019/03/12
迦陵頻之急
0
19世紀後半のパリでの、日本を題材とするバレエや舞台劇を調査研究。開国を経て欧州に流れ込んだ、日本の風俗や文物が娯楽にも反映し、浮世絵や工芸による視覚情報や、断片的知識に基づいた「日本」が舞台上にも展開する。それは飽くまでも前近代世界をユートピア視する視線による、知性や倫理観では劣るが美意識は満足させる異世界の物語であり、異文化理解とは程遠いファンタジーである。あたかも現代日本のサブカル界で、騎士や魔法使いや妖精もどきがなんちゃってヨーロッパ中世を舞台に入り乱れる娯楽作が氾濫する様を彷彿とさせる。2025/04/02
あつこ
0
西洋美術館元館長さんに興味をもったので。 絵図を見つつ拾い読み。ヨーロッパで上演される日本的なお芝居から当時の日本の立ち位置、日本のイメージを調査。ゲイシャ、ハラキリ、フジサン。ゲイシャは最初芸人であり遊女ではなかった。日欧モラルギャップを気にして日本人が正確に伝えなかったせい?欧米紳士が日本に来るようになって性的イメージに。でも所詮愛人。あくまで白人女性が正妻。 どう読んでも日本人には楽しい内容ではなく、つらい現実。直視し続ける研究者はすごい。2023/10/24
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