内容説明
あどけない少女から粋な芸者、狂女まで自在に演じ、90歳でなお艶やかだった天性の役者。観る者の記憶に鮮烈な像を刻みつけ、なお消えない不世出の女優を敬愛する人は、森光子、吉永小百合など数えきれない。没後20年、遺された1500通の手紙をたどり、知られざる素顔を発見、日本演劇史を変えたカリスマが再び光を放つ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
26
舞台の方なので、あまり作品に接している記憶はないのですが、テレビでは「東芝日曜劇場」、映画では小津作品。その印象は、くせのある役柄からか、少し怖いイメージでした。晩年には批判めいた声も聞こえていたけれど、森光子さん、吉永小百合さんの証言は、杉村春子という女優の凄さを強く感じさせます。女優として、生涯を終えた杉村春子の凄さが凝縮された著書だと思います。2017/12/31
ケニオミ
12
本書を読む前に黒澤明監督の『赤ひげ』を見ました。杉村春子が女郎屋の女将を演じていて、嫌らしい役を存在感ある演技で演じていました。そう言えば、小津安二郎の『東京物語』でも、東京に出てきた両親に時間を割けない二女の役をリアルに演じていたことを思い出しました。思い出したというよりも、最後の形見分けのシーンで、ずけずけと自分の欲しいものを主張するだけ主張し、さっさと帰って行ってしまう役のうまさにあっけにとられたのです。本書を読んで彼女の女優としての偉大さを再認識しました。一度でもいいから彼女の舞台観たかったな。2017/10/27
hitotak
3
杉村春子は映画やテレビドラマでしか観たことはない。長年劇団の看板女優で、そこでは演劇史上の大事件でもある団員の大量離脱もあり、いかにも大女優然とした自己中な人なのかと思っていたが、本書後半での周囲の親しかった人たちが語る杉村は、舞台を降りればきさくで、気配りができる普通の女性という感じ。勿論そんな単純な人物像であるはずはないけど。杉村に批判的だった側からの意見はないので、杉村論としては少し物足りないが、名のある女優たちがこぞってその演技力を称えていて、舞台を観てみたかったなあという気持ちになる。2018/04/12
津島澪
0
内容は興味深かったけれど、文章に難あり(?)かも……。2017/12/05
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