内容説明
アメリカ国防総省のクリアランスを得て、2年間、アジア太平洋安全保障研究センターの研究員として取材した、日米同盟の真実!! 地球の表面積の半分を担当するアメリカ太平洋軍司令官、ハリー・ハリス大将は日系人であり、38万人の軍人を率いる――このハリス大将にも密着取材し、進化した日米同盟の実態を内側からリポート。想像以上に一体化が進む自衛隊と米軍の戦略が向かう先は、中国だ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴールドまであと887日
22
太平洋の軍事的な力関係、アメリカ海軍の存在を痛切に感じた。日本は、かつては、太平洋の半分近くを支配していた。いまは無理。アメリカ海軍の太平洋軍が、それを担っている。中国の進出をオバマ政権が見過ごし、いまの状態を作り出し許容していた。中国は、さらに拡大してい行くであろう、戦争はすべてを失う恐れがあり、中国も敢えて戦争はしないだろう。南シナ海での基地建設、アジア諸国との摩擦、アメリカ太平洋軍の存在は大きい。改めて世界におけるアメリカのすごさを思い知った。2021/10/29
さきん
22
太平洋、インド洋に至る地球半球をカバーする太平洋軍について、日系人将官のハリス氏やハワイを軸に解説していくので非常に分かりやすかった。太平洋戦争を経て、軍の文化に与える日本の影響が大きい。日本の安全保障も完全にアメリカ太平洋軍の体制の中に組み込まれていて、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド等英語圏国家に続いて、日本の立ち位置はアメリカに近くなっている。国益が同じ方法を向いている限りは大丈夫だが、自主とで防衛できる体制も作っておかないといけない。2020/03/07
まーくん
11
よその国の軍隊編成など知っちゃことでは無いと言えば無いが、ことアメリカとなると在日米軍、第七艦隊もちろん沖縄の海兵隊もあるし知っておくにしくはない。現在の米軍は六つの地域統合軍に分かれ全世界をカバーしている(特に誰が頼んだわけでもないが)。”もう世界の警察官ではない”と内に籠られると、それはそれで困った向きも出てくる。太平洋軍はハワイに司令部を置き、全太平洋からインド洋まで地球表面積の半分を受け持つ最大の地域統合軍とのこと。朝日新聞の女性記者が休職して米国防総省内の研究センター客員研究員として執筆。2017/12/29
羊山羊
5
今読むと古さは歪めないが、米国が太平洋の最重要拠点とするハワイの重要性に気づく事だけでも世界地図の認識がガラッと変わる。日本でいると、日米関係ばかり見てしまうけれども、その間にはハワイがあるのだ。また、米国と日本のすれ違い、太平洋への無関心は結果的に中国を増長させる結果となりうることがよくわかる。今はインド太平洋という概念が対中封じ込め戦略の一環として注目が集まる。今後以下にこの注目を維持できるかが時代を読む上で非常に重要になってくる。古い本だけど、おススメ。2021/06/09
蟹
5
日米同盟にとって在日米軍以上に重要な役割を果たしている太平洋軍を、特にハリス司令官時代を中心に描いている。読みやすく内容も広範にわたって日米同盟や海洋安全保障に触れているが、一方で安全保障に関する知識がやや付け焼刃というか、おそらく特定のソースに偏りすぎている印象はある。ただ、これまであまり触れられていなかった分野を現場を通して描くものという意味では価値がある。しかし、朝日新聞も懐が深いな…2020/04/18