中公文庫<br> 大貧帳

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中公文庫
大貧帳

  • 著者名:内田百間【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 中央公論新社(2017/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122064690

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内容説明

無心者や押売りが悪態をついて、これだけの構えに二円や三円の金がないと云う筈はないなどと云い出すと、蔭で聞いていても可笑しくなる。そう云う俗物にはそんな気がするかも知れないが、無いとなったら洗った様になくなる(本文より)。質屋、借金、原稿料……飄然としたなかに笑いが滲みでる。お金にまつわる三八篇。

目次

夏の鼻風邪
俸給
質屋
秋宵鬼哭
百鬼園旧套
風燭記
炉前散語
御時勢
売り喰い
志道山人夜話
金の縁
砂利場大将
錬金術
書物の差押
胸算用
揚足取り
布哇の弗
鬼苑道話
雑木林
百円札
二銭紀
他生の縁
濡れ衣
大晦日
歳末無題
吸い殻
払い残り
年頭の債鬼
迎春の辞
大人片伝 続のんびりした話
無恒債者無恒心
百鬼園新装
黄牛
可可貧の記
貪凍の記
櫛風沐雨
高利貸に就いて
鬼の冥福

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

59
お金はないけれど借金はしたことがない。知人に借りたら人間関係が壊れるからだ。だからこのくらいの時代は人心が大らかだったのだろう。それにしてもどこまでが確信犯なのだろう。育ちの良さゆえの甘えも見え、そこがちょっと嫌だったかな。2019/01/19

メルル

30
お金が無い。と、つぶやく。それはどの程度のものか。この本さえ読めば安心できる。まだまだ私は甘かった。しかし、これ程までにお金がなくても案外なんとかなるものだ。そう思っているのは本人だけだろうけど…(笑) こんな生き方でも幸せそうにしているのは、良いことなのか悪いことなのか、さっぱりわからなくなった。2018/03/05

tsu55

19
内田百閒の随筆の中から借金にまつわるものを集めたアンソロジー。 借金を返すために高利の町金から借金をするというような絶望的な状況にあっても、どこか他人事のような、飄々とした書きぶりが独特の味わい醸し出している。苦境に陥ったその境涯を、高いところから珍しい動物を見るような目で見下ろし眺め、観察する。そんな感じか。2019/09/09

そうたそ

19
★★★☆☆ 著者の”金"にまつわるエッセイを集めた一冊。著者の借金に関する話は有名な話だとは思うのだが、その類の話だけで一冊が編めてしまうとはさすがのもの。面白いんだけど、これだけ一気に借金話ばかり読ませられるとなると正直言って飽きてしまった。2019/01/30

紫草

10
「阿房列車」で、汽車に乗って大阪に行きたくなったので行った、お金はないので旅費は借金をした、というのが強烈に印象に残っていて、お金に鷹揚というか呑気というか、おもしろい方だなあと思っていたのですが、その百閒先生の「貧乏美学エッセイ」。いかにして借金を踏み倒したりまけてもらったり(たまには)ちゃんと返したりしたか、のお話。凡人なら胃に穴が開いちゃいそうな状況だと思うのですが、ご本人はまったく悪びれずどうしても返さなければならない時はどこかから借りてきて返す、といった調子でもう笑うしかない。2018/01/03

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