内容説明
今、アメリカ、中国、韓国など世界各国で関心を集めている幼児教育法がレッジョ・エミリア・アプローチ。ニューズウィーク誌(1991年12月刊)で「世界で最も先進的な初期教育のための学校」として紹介されたのが、北イタリアのレッジョ・エミリアにある「ディアーナ幼児学校」だったことから、世界中にその名が知られるようになった。
第二次世界大戦後、若き天才教育者ロリス・マラグッツィが仲間の教師グループと共にレッジョ・エミリアで始めた幼児教育法である。
子供たちのあらゆる気づきや興味を決して否定せず、話し合いをしながら時間をかけて一つの完成形にもってゆく。大人は指示をするのではなく、あくまでもそれを見守り、助ける役割につき、子供たちの様子を観察し、詳細な記録に残す。そうして育った子供たちは、自分の頭で考え、行動し、仲間と協力しながら一つのプロジェクトを完成に導くことができるようになる。いわゆる「指示待ち」人間ではなく、自分で革新的なイノベーションを起こせる人材を育てる教育法なのだ。
同調圧力の強い日本社会において最も導入しにくい、だからこそ必要な、未来を切り拓く教育法とも言える。日本におけるレッジョ・アプローチの第一人者であるアレッサンドラ・ミラーニ氏が、実際に日本のプレスクールで実践した記録にもとづいた入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばななな
9
こんな保育をしたい。 後書きに書いてあるように、「でもできない」ではない。 子どもとの生き生きとした関わりを、環境作りを近づけていくのだ。 アプローチをしていく。 仲間を増やしていきたい。2021/04/25
moshi
9
初めてちゃんとしたレッジョ・エミリア教育の本を読みました。すごい!予想以上に凄かった!こんなにも子ども主体で動ける教育があるなんて。子ども一人一人が権利を持つ非常に民主的な幼稚園。ここまで走り出して、子ども達のひとつの文化を作り上げるのは大変だったろうな。子どもの権利やペースをここまで尊重しながら、社会に関わる力をここまでつけるのは、先生の力量が無茶苦茶必要とされると思う。非常に理想的な教育。もっとレッジョ・エミリア教育について知りたいと思った一冊でした。2019/08/12
shizuca
7
親として気を付けなければ、と思う箇所が多々あり、こどもの持っている能力をあなどっていたなぁと反省。幼稚園で教師や親と人生の大切な一場面をつくる、というのが素敵。親やこどもはお客様ではない、まさしくその通りだと思う。民主主義で話し合いが決裂したら多数決の投票というのもそうだし、こどもを操作するのではなく彼らと一緒に成長するという強い目標がないとなかなか時間や資金面で大変な教育方法かと思うけど、そもそも教育にお金をかけて人を育成するのは国のお仕事だと思うからもっとこの教育システムがふえてほしいな。2019/01/16
さちゃ
2
子ども中心、自由、自発性の尊重、色々な言葉で説明されるけれど、その内実を問うとどうか。実際に行おうとすると難しい。それでも、この本は子どもが創り出す生活の意味と面白さを感じさせる。こういう保育を追求したいなと思う要素がたくさんあった。ただ、日本の保育をひとくくりにし、レッジョエミリアと比較して批判されていたのには疑問を感じた。日本にも色々な実践があるし、倉橋惣三の思想なんかは、レッジョエミリアと通ずるものがある気がするんだけどなぁ。2018/10/11
古民家でスローライフ
0
イタリアのレッジョ・エミリア市で発展した幼児教育法「レッジョ・アプローチ」について、日本で実践している著者が紹介した入門書。昨今、日本でも幼児教育の重要性が科学的にも証明されている。この本で紹介されているレッジョ・アプローチは、今のところ、日本では、あまり、知名度が高くないが、子供の気づきや興味を優先させて、自律性と共感能力を高め、協力し合いながら、様々な問題を解決していくというプロセスは、子供の教育として、とても、有効な方法論だと感じた。子育て中の親や幼児教育に携わる人にとって、おすすめの一冊。2024/01/06
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