内容説明
60代女性作家ユニットがつくり出す古布の1点ものが、
多くの人を魅了している。
全国の骨董市を巡って収集した、
味わい深い襤褸(らんる)と呼ばれる古布を材料に、
服、バッグ、帽子、ストール、エプロンなどを手づくり。
昔の人が生活の中で大切に使い続けた着物や野良着、
半纏(はんてん)、蚊帳(かや)、布団がわ、米袋、酒袋、角袋などは、
薄くなったり、破れたところを繕っては使い、また繕っては使い続け、
その繕い跡が美しい意匠のようになっている。
また、法被(はっぴ)、幟旗(のぼりばた)、
花嫁道具に掛けられた大風呂敷など
晴れの日の布はそのキレのあるデザインが新鮮。
それらの布の魅力を最大限活かして手づくりされる作品には、
他にない希少性と、パワーがある。
手仕事のぬくもりや、主に紺(藍染め)と
ブラウン(柿渋染め)が中心の
洗練された二人のセンスも人の心を引きつける。
自分にぴったりのこだわりの一着を探している人、必見。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
29
どうしても捨てられない服がある。20代の頃、アートイベントのコーディネートや通訳を手伝っていた時に出会った故・牛田みのりの服だ。もうボロボロで、外出着にすべきではないかもしれないけれど、大切な集まりに着ていく。着ていけない場合は、自分が何かの賞を取った時に彼女が作ってくれたポーチを持っていく。中に彼女の字が書いてある。そして、生き延びて好きなことができる自分の幸運を思い、毎日をまた送ることができるのだ。記憶と時が作り上げる不思議な関係をこの本でまた再確認。素敵だった。2019/04/21
布遊
26
趣味の洋裁の本やファッション誌は、ここには載せないのだけれど・・この本は、文も多かったし、二人が大切にしていることも書かれていたので、記録することにした。このような、自給自足の生活が理想。2019/09/14
tonpi
7
いいね2019/01/07
Yoko
7
各ページ垂涎もの。それこそ舐めるように見入ってしまう。お二人の凛とした佇まい、手間と時間が積み重なった襤褸たち、あー美しい。2018/04/20
ユウティ
6
素晴らしい。まずこの表紙の茶と黒のコート。神社に奉納するのぼり旗を柿渋×3回&鉄媒染したものだそう。めっちゃくちゃカッコいい。小柄な日本人でシニアの女性がこんなカッコよくコートを羽織れるなんて。続く扉のジャケット。可愛いー!パッチワークされまくった藍と白のコントラストがもう。ブラウスを繕っていたらこうなったと。昔の人は裏地まで色やバランスを考えて当て布をしていたらしい。そのコツ知りたい。独特のしわをよせたバッグは何かで作ってみたい。良いと思う品を堂々と着れる自分を育てていかないとなあ。いやぁ素敵だった。 2025/04/06