ガガガ文庫<br> 先生とそのお布団

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ガガガ文庫
先生とそのお布団

  • 著者名:石川博品【著】/エナミカツミ【イラスト】
  • 価格 ¥649(本体¥590)
  • 小学館(2017/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 150pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094517101

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内容説明

まだ「何者」にもなれない「誰か」へ――。

家に猫がいる者ならたいてい「うちの猫は特別だ」という。
だが彼とともにいた猫は本当に特別だった。
九年間、小説を書くときにはいつもそばにその猫がいた。その猫がいなければ小説なんて書けなかった。
彼は猫を飼っていたわけではなかった。ただ猫とともに暮らしていた。
――本文より抜粋
これは石川布団という作家と、人語を解す「先生」と呼ばれる不思議な猫とがつむぎ合う苦悩の日々。
企画のボツ、原稿へのダメ出し、打ち切り、他社への持ち込みetc...
様々な挫折と障害に揉まれながらも、布団は小説を書き続ける。
時には読者に励まされ、時には作家仲間に叱咤され、ひとつひとつの出来事に、一喜一憂していきながら、素直に、愚直に、丁寧に、時にくじけて「先生」に優しく厳しく叱咤激励されながら――。

これは売れないライトノベル作家と「先生」とが紡ぎ合う、己が望む「何か」にまだ辿り着かぬ人々へのエール。
優しく、そして暖かな執筆譚。
カクヨムで話題を呼んだ、奇才・石川博品の同名短編小説を、大幅加筆修正した完全版。
イラストは『バッカーノ!』『異世界食堂』など、各所で活躍中の人気イラストレーター・エナミカツミ。

※「ガ報」付き!

※ガガガ10周年電子特典!シリーズ既刊すべてのカバーイラスト付き!

※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

61
売れない中年ライトノベル作家・石川布団と人語を解す「先生」と呼ばれる不思議な猫とがつむぎ合う苦悩の日々が描かれる私小説的執筆譚。これはどこまでが実話なのか妄想なのかいろいろと想像してしまうくらいにはリアリティを感じる展開でしたけど、遥か年下の女の子がどんどん飛躍していく一方で、他社への持ち込みや企画がボツになったり何度も打ち切りを食らったり、こうもうまくいかない事が続くとなかなかしんどいですよね...。今の時代に自分の書きたいことを書く作家であり続けることは、つまりこういうことなのかとも思ったりしました。2017/12/19

まりも

60
売れない作家石川布団と、人語を解す猫の先生。そんな1人と一匹の苦悩と歓喜を描いた執筆譚。これは石川博品にしか書けない自叙的小説であり、同時に己の望む「何か」を探す旅の途中にいる全ての人々の背中を押す小説でもある。そう感じずにはいられない1冊ですね。時に厳しく、そして穏やかな日常。そんな等身大の日常の中で作家としての苦悩や先生とのやり取りを描いたからこそ、温もりも悲しみや痛みその全てが琴線に響き感動の涙が溢れる、そんな素晴らしい作品になったのだと思う。石川博品という作家の底力を見せてもらいました。2017/11/19

まるぼろ

34
ライトノベル作家、石川布団が人語を解し、喋る猫の「先生」に時には叱咤され、また時には励まされながらも作品を書き続けるお話です。作中で布団が書いて世に出す作品の数々が、余りに現実を想起させてくるので、フィクションと銘打ってあるにも関わらず、ひょっとしてかなりの部分がノンフィクションなのでは…と疑ってしまいたくもなりますが、一作品としてはとても面白い作品だと思いました。作中でも布団が同人として作品を出すシーンも出てきますが、同人と商業の違いと言うか、→2018/01/15

SEGA

33
作家は続きを書きたい、読者は読みたいのに続編が出ない出版業界の事情がわかりました。色々とほろ苦い味わいですが、今度はもっと売れると信じます。2018/01/03

shin

33
売れないラノベ作家のオフトンと人語を解する猫との日々を追うお話。例えのピコピコとかほぎほぎで程よく脱力し、¨先生¨との会話は厳しい状況のクッションのように感じつつ、扉絵からも分かる思うようにいかない作家人生や垣間見える諦めも含め先が気になる展開に。伝わる生活感や不安は作家ではない自分とかけ離れたものでは決してなく、拠り所のないあるいは不安定な自分を成り立たせているのはなんなのか 、というとこまで想像させてくれた。色々な他作品だけでなく最後はこの作品にも思いを巡らせたくなった。じんわりと心に響くお話でした。2017/12/28

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