光文社文庫<br> 蚤とり侍

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光文社文庫
蚤とり侍

  • 著者名:小松重男
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 光文社(2017/11発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334775483

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内容説明

「猫の蚤とりになって無様に暮らせ!」主君の逆鱗に触れた長岡藩士・小林寛之進は、猫の蚤とり――実は“淫売夫”に身を落とす。下賤な生業と考えていた寛之進だが、次第に世に有用な、むしろ崇高な仕事だと確信する。ところが政権が変わり、蚤とり稼業が禁止に。禁令の撤廃を願い出る寛之進だが……。(表題作)江戸の浮き世を懸命に生きた愛すべき人々の物語、全六編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えみ

64
苦労は報われるという言葉も、人生は思い通りにいかないという言葉も、お江戸の片隅で笑いと涙で語られたらひとたまりもない。次は人情噺か、今度は滑稽話か…矛盾もいつしか素直に受け入れられるという不思議に、手妻師に奇術をかけられたような気分を味わっている。表題の『蚤とり侍』をはじめ、愛すべき人間の思いがけない運命を辿る登場人物たちの姿が描かれた一冊。江戸時代の市井が舞台となっている全六篇収録の短編集。懸命に生きる彼らの数奇な人生は、謙虚に生きるとはどういうことかを教訓という形をとらずに納得のカタチで結ばれている。2023/06/03

がらくたどん

59
先日読書家様ご紹介のアンソロで久しぶりに作者の名に触れて。既読は映画にもなった「蚤とり侍」のみで書棚の肥やしにしていたのだが、鬼籍に入られる前にちゃんと読めばよかった。真面目と間抜けはご近所さん。そして世知辛い世で間抜けていると握った籤は概ね貧乏籤。六作中デビュー作でオール読物新人賞の「年季奉公」こそ悲劇だが、残り五作は人間尾羽打ち枯らしてからが愛嬌の見せどころといった感じの零落武士の愛すべき浮草人生喜劇。何れも生真面目故に身包み剥がされ餓死寸前の物乞い暮らしで得た小さな自由が可笑しく愛おしい大人の一服♪2024/01/14

ミツツ

36
阿部寛さんの主演映画。40頁の短編とは知らず少々気落ちしながら読んだのだが、まぁ面白い面白い!他5つの短編もどストライクでした。時代物は読む度に当時の文化・風俗に感心したり驚かされたりします。初読みの小松重男さん、面白い事を真面目に淡々と書かれるのでかえってユーモラスになっているのが楽しいです。2018/10/15

yamatoshiuruhashi

28
映画の宣伝で初めて知った本。「蚤とり」とは「猫の蚤とり屋」であり、男の淫売だと人生はじめて知った。短編集である。武士とは何かを哀愁と笑いの中に教えてくれる作品が数編。面白かった。2018/05/23

koba

25
★★★⭐︎⭐︎2021/02/27

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