内容説明
知っているようで、何だかよくわからない存在、妖怪。それはいつ、どうやってこの世に現れたのだろう。妖怪について深く愉しく考察し、ついに辿り着いた答えとは。全ての妖怪好きに贈る、画期的妖怪解体新書。
目 次
妖怪のことを考える前に
妖怪という言葉について
妖怪のなりたちについて
妖怪の形について
講義録 通俗的妖怪と近代的怪異
妖怪のことを考えているうちに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
151
京極夏彦氏こそ21世紀の妖怪学博士と言える。いかにして妖怪という言葉が生まれ広まったのか、文学論的な鮮やかさで江戸以来の膨大な文業の積み重ねから解きほぐしていく。民俗学の祖とされる柳田國男は民衆啓蒙の立場から、非科学的とされる妖怪研究との兼ね合いに悩んでいたとの指摘は面白い。その成果を受け継いだ水木しげるは長く培われてきた日本人の心情に合致する妖怪を創造し、漫画という形でプロデュースした。妖怪が日本人の一般教養になるまで浸透したのは、古い酒を新しい革袋に注ぐように時代に応じて再解釈されてきた経緯がわかる。2026/09/07
gonta19
110
2011/7/31 Amazonより届く。 2017/6/2〜6/12 京極さんの妖怪に関する論文と言って良い内容。実に明解に、妖怪の語源、成り立ち、容姿について論考している。妖怪愛に溢れる名著。2017/06/12
Tetchy
106
元々京極氏は妖怪好きが高じて妖怪をテーマにした小説を書いて作家になった人であり、妖怪研究の権威では無いのだが、本書を読めば妖怪の大家の1人と認めるべきだろう。柳田國男氏の民俗学から始まった妖怪が、現在ここまで根付くようになったのが水木しげる氏の『ゲゲゲの鬼太郎』や数々の妖怪図鑑といった功績である事をまざまざと思い知らされた。今なお彼の作品がアニメ化されて、現代っ子達にも妖怪を根付かせていることからも彼の偉大さが解る。水木氏と京極氏という偉大なる妖怪の大家と同じ時代に生きている事に喜びを覚える書物であった。2025/10/24
優希
73
妖怪とは何であるかを説いており、興味深く読みました。小説や映画などで親しみを感じていますが、詳細はわからないことが多かったので、このような解き明かしは非常に勉強になりました。京極さん自身も数多くの妖怪小説を書いていることから、縦横無尽に妖怪を語り、妖怪を楽しむことを教えてくれるように思います。存在するか否かという前提あれど、存在するということを再確認したような気がします。2018/11/07
テツ
28
妖怪とはなんぞやということを妖怪大好き作家の京極夏彦が解説してくれる。形のない何か。自然現象、畏れ、喜怒哀楽などの感情。それらに形を与え僕たちが理解しやすいようにキャラクター化されたものが基本的な妖怪の姿なんだろうけれど、そうしたことについての薀蓄と考察の嵐が本当に面白い。こどもの頃から妖怪図鑑的な本を読むのは好きだったけれど、こうしたバックボーンを知ることで昔から知っていた妖怪もまた魅力を増しますね。京極堂シリーズの中禅寺の薀蓄が好きな方には是非オススメしたい。2018/07/16
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