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内容説明
事実と全く違うトンデモ言説を流す評論家や研究者がいる。
それがマスコミによって流布され、後で見るように公的出版物にまでそれが掲載される。
こうして、事実に反する言説が認知されつつあるのだ。
しかも、名古屋の人たち自身がそうしたトンデモ名古屋像を信じている。
地元の新聞、テレビなどマスコミにもそうしたトンデモ名古屋論が出る。
ジャーナリストたちでさえ反論や批判をするわけでもなく、何の根拠もない話に納得しているのである。
知の怠惰であり、知の堕落ではないか。
トンデモ言説を論じるバカ者を叩きのめす知的格闘技の本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桂 渓位
6
呉智英先生だけは敵に回したくない、そう改めて思わせる一冊でした。 名古屋出身であることは初めて知りましたが、ビルヂングの見方が変わりましたね。2018/03/06
えすてい
5
岩中祥史のトンデモ名古屋論を徹底的に叩き「真の名古屋」をあぶり出そうとする著者だが、名古屋から脱線した記述も多く、トンデモ本をトンデモ本で火に油を注ぐという感じも否めない。岩中祥史への個人攻撃のみに終始してるのは何だしっくりいただけない。尤も、新書として過去にいくつも刊行されてきた「名古屋本」や週刊誌の「名古屋嫌い」も褒められた内容ではないが。火に油を注ぐトンデモ本をトンデモ本から冷静になるには、地道な名古屋在住フィールドワークでしかないというのが、生まれも育ちも名古屋の私の率直な感想。2018/01/22
たけわか
4
あえて専門書(本棚)に分類しました。名古屋論を学術的に考察するという事自体、今まで考えてもみなかった。読了して、いかに自分自身が、間違った名古屋人像を抱いているかという事に気がつきました。読み始めはそんなに真面目に考えず、名古屋学ってお遊びなんだから、と正直思いましたが、びっくりするような嘘がたくさん横行しているという指摘と、最終章に紹介されているような、学術的に功績を残した地道な学者を、きちんと評価したり、育てたりということがおろそかになっている現状に一石を投じたという点で、非常に評価できる一冊です。2017/12/11
hiroshi0083
4
著者曰く、本書は意外な事実を知ると同時に歴史や文化を見る目を鋭くする本である。同時に、トンデモ言説を得意気に論じているバカものを叩きのめした知的格闘技の本である。 実際、殆どの章にて語られるのは、県民性評論家や出版プロデューサーを名乗る岩中祥史への批判だ。 自らを名古屋出身と語る岩中は、多くの自著で名古屋を笑いものにする。間違った根拠や、世間に漠然と流布する印象論によって。(コメントに続く)2017/12/07
akemitsu
3
県民性という非常に不確かな類型を真面目に批判した本。とはいえ、県民性についての著作が非常に多く、名古屋人論といえばの、岩中祥史氏の個人攻撃のようなキャプションもあったり、楽しく読める本ではなかった。そもそも県民性というくくりの文化論自体が論拠乏しいネタとして楽しむものという位置づけかと思うけど、著者はそこで語られる「名古屋人」論が嫌なのだろうし、そういう点ではいじられる側が楽しめない名古屋論がある事が楽しくない状況なのかもと思った。2019/09/25