内容説明
法学部に入学するとすぐにぶつかる「判例」という謎のことば。でも,そもそも「判例」ってなんなんだ!!――そんな疑問に答えるべく生まれた一冊です。
有斐閣社章由来のキャラクターシッシー(獅子)&ワッシー(鷲)が社章から飛び出して「判例の読み方」を学びます。教えてくれるのはアオキ先生。
先生の優しく軽妙な語り口と,法律初学者であるシッシー&ワッシーの素朴な疑問(ときに先生をとまどわせる自由奔放な発言)――全篇会話調で,一気に読み通せます。
大教室の講義では教えてくれないかもしれない,でも基礎的でとても大事なことを詰め込んだ,全法学部生必携の一冊。これを読めば,判例学習は,こわくない。
*** 読者の声より ***
●専門科目ではなかなか触れられない判例読解のための前提知識を,民事・刑事判例を通じて学べる。
●法学部1年生や法科大学院未習の人は必読。判例を読むことを通じて人間のことや社会のこと,色々考えさせられる点を実感させてくれる。
●実務家になっても基本の学び直しに,読みやすいのがとてもいい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ま
14
有斐閣の社章のシッシー(獅子)とワッシー(鷲)が生徒役。大体は知ってる内容でちょっと安心。脱線して、他愛もない会話が何かの伏線なんだろうと思って読んでたら本当にただの他愛もない会話だったり。たが、それがいい。「もしかして、昔鹿鳴館で踊ったりしてませんでしたか?」←このフレーズはいつか使ってみたい。2021/08/30
かばお
9
この本、学部1年生の時に出会いたかった。法学部卒だけど、自分の貧弱さを嘆きあえて読んでみた。良作。法律家なら前提としてスルーしがちな初歩的な部分もざっくばらんに説明してもらえるし、民事刑事問わず、判例のどこにポイントがあるかを把握できる。民集刑集も見たことないなら、そりゃ法律ダメダメやな~。猛省。これからは、図書館で民集刑集を手元に置きながら勉強しようか~。2017/05/09
またの名
6
由緒ある有斐閣の社章に描かれた獅子と鷲がいきなり喋り始めてバカキャラ&ゆるキャラ化するので、驚きの衝撃と低レベルな会話の勢いに乗ってすぐ読み終わるのを禁じ得ない。おバカなキャラたちを通じて一つ一つの判例文書をどのように読み解いていけば良いのか指南しながら、常に言葉の定義を確認するために法学辞典を参照しないとならないので外国語に取り組むのと同じように法律学の勉強は進む、といった俯瞰的な点もアドバイス。だとすると最初の頃ほど大量に辞典確認をする羽目になり、無我夢中で続けるうちに段々と楽な作業に思えてくるのか。2022/10/07
ねお
5
有斐閣の社章の獅子と鷲が、法律学初学者として、アオキ先生から判例の読み方を教わる。法律学初学者が持つ当然の疑問について、シッシー・ワッシーが読者の代わりに入れてくれる突っ込みに回答する形で丁寧に解説されており、味わい深い。刑事・民事各一つの判例を扱う薄い本書から、法学初学者は勿論、既習者も学ぶ点が多い。「法律の場合、勉強すればするほどわからないことが増えてくる」ものだから。何がわからないかを、自分の言葉で詳しく説明できるようになるために、判例との向き合い方を学べる。なにより、青木先生の文才に憧れる。2019/12/30
閑居
5
有斐閣社の社章のワシとライオンが、丁々発止の掛け合いをしつつ、判例を学ぶ話。マンガ的な意味で面白いけど学術書としては圧倒的に読みにくい。そして、「下級裁判所って下っ端の裁判所のこと?」のくだりがやばすぎる。編集者が飛ばされてないか不安なんだが・・・。2019/06/23