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内容説明
国会議員の数では、いつでも憲法改正が可能になったこの機に、憲法改正は今しかない、と政権はアクセルを噴かしている。けれどもそこに陥穽はないのだろうか? かつて憲法改正に半生を捧げた著者は問う。強い国家、強い体制ばかりが求められ、国民の自由や権利が蔑ろになってはいないか? 著者は、改正を目論む真の目的を探り、「憲法を利用するな!」と声を上げる。改正に向かうわが国の危うさを指摘した警世の書!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ykoro
8
改憲に半生を捧げた右翼の方が、「自由のない自主憲法より自由のある押し付け憲法のほうがまだよい」といわれるコンテキストが理解できる。なるほどと思う面もあり、憲法を考える切り口を与えてくれたと思う。2017/03/26
トラッキー
6
かつては熱烈に憲法改正運動をしていた愛国者であり右翼の著者が、今政府や右派が進めようとしている憲法改正は危ないと説くから非常に説得力と迫力がある。確かに愛国心や家族を大切にする心は憲法で決めて押しつけられるものではなく自発的に湧き出るもの。政治家が皆が愛したくなる国を作れない責任を現憲法に転嫁するのはおかしいし、憲法に書いたら次はだから年金は削って家族で助け合いましょうとなりかねない危うさがあることも納得。結局憲法は国民を律するものではなく、権力者の横暴を規制するものだという根本を改めて自覚した。2017/05/13
Mao
4
「憲法改正論者は少数意見を無視して愛国心や家族の絆などを強調しているが、それは憲法の精神に反するものだ。少数意見の尊重はとても大事なポイントで、多数決で押しつぶしてしまってはいけないものだ」(p184木村草太) 自分たちの意見は当たり前だという多数派の主張は説得力がある反面、暴走しやすいという危険性や脆弱さを初めから持っている(p186)2017/10/30
酩酊石打刑
4
「憲法を整合性のある美しいものにして戦争になるよりは、いろいろと欠陥があっても自由が保証され、戦争にならないほうがいい」(P174)わたしはコンプライアンスという発想がどうにも肌に合わない。すべてのことを、法令によって規制していこうという硬直化した考えが嫌いだ。何ものかを規制するに明確な決まりをもってしなければ、あいまいに陥り声のデカいもの、力のある者の勢いに押されるという懸念があるにしろだ。いずれにしろ時間のかかる面倒なことなのだが、それが今求められていると感じた。2017/08/17
くるた
2
憲法を変えるにしろ変えないにしろ、とにかくじっくり進めて欲しい。変えるのなら、一つ一つ時間をかけて欲しい。右も左も関係なく、すべての元凶は国民の無知ですね。私も含めて。知識量も、自分の意見も未熟すぎる。自衛隊の問題は、どちらに転んでも国レベルの話。でも家族のあり方は、そもそも国レベルで方向性を決めることじゃない。そういう問題が組み込まれていること自体が本当に気持ち悪い。それにしても自分の周りを見ると、そんなに世間が右傾化しているとは感じないのに、自民党の支持率は高い。このズレは一体なにかしら。2017/05/14