内容説明
アイヌ文化とはなにか、彼らはどのようなくらしを営み、どんな世界観をもっていたのか。本書では、史上初のアイヌ出身国会議員であり、その文化の保存・継承に長年尽力してきた著者が、みずからが生まれ育った二風谷(にぶたに)の四季の生活を振りかえりながら、その模様をやさしく紹介していく。食文化、住まい、儀礼、神話・伝承、習俗、自然観や死生観……。それらの記述を通して浮かび上がってくるのは、自然と調和し共に生きようとするアイヌの心である。いまなお日本人に広く知られているとはいえない先住民族アイヌの世界。その全貌を知るための基本書となる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
25
何冊かアイヌ関連の読書が続いたので、孫引きのように知っていたこともあるが、ようやく元の話に辿り着いた。二風谷を訪ねてみたい。2022/10/05
ちょん
20
こういう本はあまり読んだことなく、苦手意識がありましたがアイヌのことを知りたいと思ってたのでグイグイ読み進めてしまった!元来カタカナ表記が苦手なのですが、アイヌの言葉は面白いのと口に出して読んでみる響きがいいので読めてしまった(*^^*)図書館本ですが、自分の本棚に置いておきたいと思える1冊!どこかて見つけてこなくては!2018/04/18
あきあかね
19
2年前に北海道の白老町に創設された、アイヌの歴史や文化を伝える施設「ウポポイ」が注目を集めているけれど、アイヌ出身者で初めて国会議員となった著者萱野茂さんが、半世紀も前に二風谷アイヌ文化資料館を開設していたことは知らなかった。 本書では表題の通り、太古から繰り返される巡りゆく季節の中で、厳しくも豊かな自然の恵みを受けて生きているアイヌの人びとの暮らしが丁寧に描き出されている。 シエペ(本当の食べ物)と呼ばれるようにアイヌの人びとを支えた豊富に獲れる鮭。ニトペという、イタヤカエデの樹液をイタドリの筒に⇒2022/12/31
しゅん
15
解説曰く、アイヌの伝統を残す運動だけでなく、再興する運動をしていた人物だという。平易なはずなのに、なぜか頭に入らない文章が多い。「見つける」ことが「所有する」とイコールになる風習(というか精神性)に面白みを感じた。珍しい動物などを見かけて、それをだれにも言わず秘密にすれば、宝物としてその人に益をもたらす。言葉と体験の関係として普遍的ななにかを感じる。2021/07/20
月音
8
著者は北海道のアイヌの村に生まれ育った人。昭和初めごろを中心に、衣食住、冠婚葬祭、風習、俗信などを著者の実体験、家族と村の人々から聞いた話でつづる。イヨマンテの前にどんな条件下で狩りを行うか、季節ごとの植物の採集と調理・活用法、好きな異性へのアプローチに、人妻を口説く際のルール(!)なんて話が珍しい。聞き書きでも、踏み込んだ話ができるのは同族の強み。日本人から主食であるサケの漁を禁じられ、“あなたたちは、よその国から米を食べるなという法律を押し付けられたらどう思うか”という言葉は胸にこたえた。⇒続2025/05/10
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