内容説明
「きみのあの態度は何だ!」 15年間の大学生活、ウィーンへの私費留学……。出口のない生活から私を救い、東大助手に採用してくれた教授の一言から「いじめ」は始まった。「髭を剃ったらどうか?」私を助教授にするため、あれこれ画策してくれる「恩人」から数カ月に及ぶ罵声と執拗な攻撃を受けながら、大学とは、学界とはなんたるかを知るまでを描く壮絶な「アカデミズムの最底辺」体験記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
52
週刊誌の推薦で読んだとはいえ、すぐに後悔。よく言われるように人のネガティブな語りを聞くのは滅入る。かといって人と人の間に生きるのがフツー。已む得ないとはいえ、「よくある話」だった。居た環境が酷似・・最も女の立場で~だからかな。どうしても女の立場で見るので「夫人、お嬢様、妻」のありようが鼻につく。でも何がいいのか・・世間は一応羨望の目で見るし、本人たちの虚栄とプライドで飯を食っている訳だし。学問って、遊学の徒って考えちゃうなぁ。読み終えて介護の職場で3日汗を流していただいたら・・なんて思った次第。2017/07/24
ミスターテリ―(飛雲)
36
東大の助手はどんな人がなるのか、助手だから大学を出た若い人と思っていたが、作者は現役で東大に合格、哲学科の大学院の修士課程に、しかし博士課程を拒否されて予備校教師に、そこからウィーンに私費留学、博士号を取るという輝きたる経歴の持ち主。けれど大学の教授でなければ、そんなキャリアなどまったく無意味で、結局東大教授の助手になり、推薦を受けようとするが、その教授からパワハラを受けることに。教授になるにはこんなに苦労しなければんだと同情するとともに、学問のウラの世界を知ることができ面白かった。 2021/05/25
テツ
29
中島先生が東大の助手時代に受けた理不尽な仕打ちの数々。師事していた大森荘蔵先生については今でも敬愛している様子で口にされるけれど、それと同時期にこんな凄まじいパワハラの嵐が吹き荒れていたのかと思うと居た堪れないな。この教授のモデルとなった方はまだご存命らしいが(刊行当時)よく出版できたよなあ。知能や生活水準の高さって人格とは比例しないんだなあと改めて思う。何というか人のふり見て我がふり直したくなるよな。頭は悪いし人格者にはなれなくても、せめて他人を踏み躙り利用するようにはなりたくない。2019/11/10
tomi
27
著者の東大助手時代を綴った一冊。両親への鬱屈した思いなども綴られているが、中心となるのは教授から受けたパワハラの数々。この教授は権威が好きで自分を敬わないと面白くないという俗物のようだが、著者の奥様共々呼びつけて自宅の芝刈りをさせる(!)時の態度から見ると教授夫人がかなり悪どい。あとがきで「教授に『復讐』しようというのではない」と書いているが、仮名で書かれているとはいえやはりこれは復讐の書だろう。「アカデミック・ハラスメント」なる言葉があるように、残念ながらこのような事は諸所で行なわれているのでしょう。2022/04/21
fseigojp
19
四方田犬彦の 先生と私 より、えげつなかった 元祖アカハラ本かもしれんな2017/12/29
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