内容説明
仕事はパッとしないし、彼女に怒られるしで、ダメダメな日々を送る僕。いっそヤギにでもなって人間に特有の「悩む」ことから解放されることはできないだろうか……というわけで本気(まじ)でやってみました。四足歩行の研究のためにヤギを解剖し、草から栄養をとる装置を開発。医者に止められても脳の刺激実験を繰り返し――。イグノーベル賞を受賞した抱腹絶倒のサイエンス・ドキュメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
132
こういうの大好きです。奇人変人丸出しなのですが、見切り発車でも急なアイデア変更でも達成してしまうのが圧巻です。そして、そのプロジェクトに資金提供する団体(ウエルコムトラスト)が実在するというのが海外らしくてなんとも微笑ましいです。また、著者の協力者達にも拍手を送りたいです。トースター、ヤギ、さて次作はどんなテーマで来るのか待ち遠しいです。2024/06/02
Willie the Wildcat
88
抱腹絶倒、時に共感と新発見。悩み解消法か、気分転換にはいいかもしれないなぁ。対象選定、シャーマニズム、動物行動学、動物学、解剖学などを通して、ヤギだって悩むなどの雑学はもちろん、認知バイアスなどの学びともなる。TMSも踏まえた数々のプロトタイプを経て到達した”装備”。ライディーンのひびき洸を彷彿?!トドメは著者の夢・・・、「ギャロップになること」。呆れるを通り越す教授等有識者の面々。でも本人は至って真剣、故の”アルプス越え”。応援したくなるかもなぁ。然るに、自分ならどんな動物選ぶかな?やっぱりパンダ!2018/03/11
コットン
86
自分イベント『貴方にとっての『変わった本』はなんですか?』での踊るらいぶらりあんさんのイグノーベル賞を受賞したオススメ本。ヤギになることへの哲学的思考やら、異種間セックスの回避について考えたり、脳内のブローカ野に刺激を与えたり、ヤギになるための補助具のプロトタイプを作ったりと馬鹿らしいと思われながらも真摯に向き合う姿勢が好ましい。そしてヤギスーツを装着してのヤギの群れとのヤギ的行動の実践へ…。2022/05/06
鱒子
74
図書館本。33歳ほぼニート。現実逃避として象になる事を決意。しかしすぐに象を諦めシャーマンの指示に従いヤギを選択!ただしこのニート、ただのニートではなくデザイナーだったのですーーというわけで、かつて手作りトースターで名を馳せたトーマスが、テクノロジーを使って本気でヤギを試行する本。無茶しやがって。2016イグノーベル生物学賞受賞!素晴らしい!2018/09/20
いちろく
69
愛すべき阿呆がここにいる!前作の「ゼロからトースターを作ってみた結果」を既読なので、著者がとことん追求するタイプの人間である事は、十二分に理解していたはずだった。そんな私の予想の遥か上をいく、くだらなさが堪らなく面白い。ホント、この人阿呆だ!友人には是非いて欲しいけれど、親族にいたら勘弁して欲しいタイプの人だ。この本が伝えたい事は、あとがきで翻訳者が著者を褒め称えている「笑われる勇気」「目標に向かって突き進む強さ」に尽きると思う。さて、著者は次に何をやってくれるのだろう?今から、本当に楽しみである。2018/01/08