日本経済新聞出版<br> 異次元緩和の終焉 金融緩和政策からの出口はあるのか

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日本経済新聞出版
異次元緩和の終焉 金融緩和政策からの出口はあるのか

  • 著者名:野口悠紀雄【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 日経BP(2017/11発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784532357481

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内容説明

○異次元金融緩和が導入されてから、4年たった。2018年には黒田総裁の任期も来る。いまこそ、総括と展望が必要な時だ。日銀は、2016年9月に、「総括的な検証」を行っているが、とても十分とは言えない。

○異次元緩和は、日本経済のどこをどのように変えたのか? 基本的には、経済の基本を改善せず、国債市場を歪めただけの結果に終わった。日本銀行が意図したこと、意図の背後にある理論的な枠組みのどこに問題があったのか?そもそも目標や理論が間違っていたのではないか?

○このまま大量の国債購入が続くと、脱却はきわめて困難になる。なぜなら、金融市場の混乱などの問題解決がますます難しくなるからだ。また、仮に目標インフレ率が実現すると、日銀の財務上の問題、財政負担の増加などの問題が深刻になる。

○いま必要なのは、インフレ目標の達成にこだわることなく、できる限り早く異常な政策から脱却することだ。その際に起こりうる経済と市場の混乱を最小限にとどめるために、何が必要かを早急に検討すべきだ、と著者は説く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

まゆまゆ

6
異次元金融緩和により国債購入を続けてきた日銀。経済実態と合わない金利を作りだした結果、出口戦略が難しくなった。手放した瞬間に債務超過になる可能性を指摘。インフレターゲットは先送りされ続け、日銀への信頼は揺らぐばかり。円安になっても輸出は増えないことがわかったので、実質賃金を上昇させるためには円高にして消費者物価を下げる方が効果的との指摘も。2017/11/30

俊介

2
本当に野口さんの仕事ぶりにはいつも感服させられる。本書も、数々のデータを駆使してグラフ化図表化して示されており、その主張の説得力を高めている。本書は直接には日銀の金融政策を批判したものだ。アベノミクスという言葉は出てこないが、日銀と一体となって進めた異次元金融緩和が、むしろ日本の経済の崩壊リスクを高めている事実が詳らかにされている。もちろん異論もあるだろうけど、私としては野口さんの主張に圧倒的な説得力を感じる。でもまぁ肝心の結論である、構造改革、自由貿易推進という肝心な部分は同意できないのが残念。2019/02/01

伊野

1
本書はロシアウクライナ問題が起こる前で、2022年現在の急激な円安に見舞われていない状況下に書かれているが、それでもなお日本の金融政策の行き詰まり感は伝わってくる。日本の量的緩和が機能しない要因は、国債購入によりマネタリーベースを増やしてマネーストックを増やそうと画策したが、企業の投資需要がないためにマネーストックが増えなかったことに起因する。求められるのはイノベーションをもたらす機構改革、規制緩和であるが、これも一朝一夕には実現できない。2022/07/15

christinayan01

1
「異次元緩和ってなんだったの?」に対する最高の見解の一冊。専門用語はまあまあ出てくるがとにかく説明がうまいから、経済に疎い人でも本当によく理解ができると思う。 結局は、例えばお店で考えれば、魔法の力で在庫が数十倍に増殖したとしても、使う人・買う人がいなきゃ何の意味もなさないってこと。他の本でもよく見るが、日本ってもう貿易立国ではなくて配当収支で飯食ってるんだから単純に円高誘導のほうが日本の経済政策としては吉であることにも改めて言及している点はさすが。2019/05/01

Uz あなぐま

1
第7章の冒頭/金融政策や財政政策などのマクロ経済政策はもともと経済の一時的な変動に対処するためのものであり潜在成長率そのものを永続的に高めることができない。生産性を高めて潜在成長率を高めるためには新しい技術を取り入れ産業構造を改革することが必要である…日本を世界に向かって開かれた国にすることが必要だ。とりわけ農産物の輸入や移民の受け入れについては…/の一文に凝縮される。雑にまとめると…借りた金は必ず誰かが返すことになる。新しいことをやる人を規制で邪魔してはいけない。日本に賭ける人や金を受け入れよ。かな2019/03/24

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