内容説明
女に学問はいらないという風潮が残る明治初期、医学の道を志した女性がいた。日本最初の女医・荻野吟子である。夫に膿淋をうつされた屈辱と痛みから、同じ悩みをもつ女性を救うべく、かたくなな偏見と障害を乗り越え、医師の資格を取得し、医院を開業。やがて、婦人問題に取り組む社会活動にも参加していく。数奇な運命に満ちた愛と苦悩の生涯を医師出身の著者が、情熱と共感をもって描く評伝小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ykmmr (^_^)
83
自分の郷土の偉大な『偉人』。しかし、日本では、決して『偉大感』は正直、高くないのに、「日本初公認女医」としての『存在感』が際立つ。そんな偉人を、「官能小説の達人」が、同じ本職の立場も兼ねて、彼女の「オンナとしての威厳・誇り・意地」、「医師としての姿」を忠実に、丁寧に書き上げてくれた。近隣では名家生まれで、学識優秀で恵まれて育つが、嫁ぎ先で、「オンナとしての姿」を汚され、屈辱を味わう。そして、その屈辱と彼女の賢者的一面が、次の彼女の目標を決める。一から医学学問を学ぶ困難だけではなく、2024/01/26
シスターがちょん
5
本当に意志の強い女性でした。同じ埼玉に生まれても明治の時代にこんなに苦労した方がいるとは。本からだけでもそんな苦労しなくていいのに何で?って思ってしまった。真面目な天才の気持ちは凡人には解らなかった。最期は、養女トミさんに看取られお幸せだったと思いたい。63才でご逝去。今度、荻野吟子記念館に行ってきます。2019/02/16
らいしょらいしょ
4
ちょっと前に、もっと易しい荻野吟子の生涯を記した本を読んだけど、ようやくこっちも手に取れた。女の役割が、家を守り子供を産んで育て、夫や姑の言う通りにしておくしかなかった時代から、まだそんなに経っていない。現代の女性たちの活躍の礎のひとつ、吟子の苦難の日々が詰まっている。読んでるだけで腹がたつ男たちの言い分にも、当時はそんなものとされたのだろう。が、その吟子にも余裕が持てぬ時期があり、迷い選んだ道が暗闇であったこともある。最期はなんだか寂しかったね。トミがいてくれたことが救い。2018/02/25
ねぎまぐろ
1
★★2025/07/01
青猫
1
途中で志方に出会ったのが荻野吟子にとって幸運だったのか不運だったのかは私達には分からないけれど…。志方と結婚し北海道にまでついて行ったのは彼女の意志だったことに変わりは無いから、少なくとも不幸では無かったのかなと。それにしても意志の強さが凄いなぁ…見習わなくてはと思います。何が言いたいのかというと、この本最高ということです(真顔)2018/08/08




