内容説明
婚約したテルとの突然の別れから3年、シンゴは船内社会における調停者として成長していた。かつてベガーとの未来を共に願った親友のケンやダイスケたちもまた、それぞれの人生を選択していく。だが、目的地の植民惑星到着まであと3年と迫るなか、突如起こったベガー殺害事件をきっかけにシンゴと親友たちとの関係は徐々に変化していく……。SF、ファンタジーの技巧派作家が満を持して放つ、少年少女たちの成長物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あおでん@やさどく管理人
39
人間とベガーの共生のために、そして大切な人のために、それぞれが自分の思いで動いた3年間。そして、航宙船がタカマガハラⅡに間もなく到着となったとき…。それまで船内という閉じた世界だった物語が、スケールの大きな”宇宙の方舟”の物語へと一気に昇華する。青春モノとSFが好きなら、間違いなくおすすめできる。2019/01/24
まつ
31
久しぶりに本にここまでのめり込んだ。見所の一つは子供達の成長。12歳、15歳、18歳と成長をするなかで、それぞれの立場や思想は変わっても、皆最後まで根っこの部分の想いは変わらずいてくれたのが嬉しかった。SFはエピローグで語られる「どんな世界が続いていくのか?」が肝だと思っているのですが、大満足の終わりかたでした。2019/01/03
た〜
27
(発掘再読)面白かった。敵がめまぐるしく入れ替わっていき、息をつかせない。愛憎狂気に陰謀が絡みあう。もちろんSFの要素も蔑ろにされることもない。ラストはちょっとご都合主義なところもあるけど、それも愛嬌かな2015/12/01
ヤギ郎
23
最後の数ページが、この物語に宇宙的広がりを見せて収束する。「はは、うっかりしたやつだな」(418)というシンゴのセリフに「うわー、まじかー」と言葉が漏れ出る。これぞSF。資源の限られた宇宙船では意思統一が大切である。安易に済ませらたことや「今まで起こらなかったから」という理由で放置されたことについて、どのように対応すればいいのか。実際、いざ新しい惑星に植民すると起こりうる問題である。(こういう時にマニュアルが活躍するのだ!)ボーイ・ミーツ・ガールのスペース・ストーリー完結。2019/03/12
きき
22
まずは最高に楽しかった。「今年上半期嗜好に刺さったランキング」では確実に上位。歳を重ね船内社会の中核に立つようになったシンゴも彼の周囲の人々も、様々な出来事によって考えや行動が変化していき、それが人間関係の変化にも繋がる。"昨日の友は明日の敵"のような展開には胸を痛めるが、どこまで行っても友は友。支え合い間違った事は指摘し合う彼らの関係がとても眩しい。そしてピンチの時だからこそ本領を発揮するシンゴ達人間とベガーのコンビネーションが気持ちいい。辛さを乗り越えて人間は強くなるという事を彼らが体現してくれた。2020/06/15
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