内容説明
宇宙構造から経済、言語まで、なぜ数学はわれわれの世界を説明するのにこれほど有効なのか。数学史を辿りながら壮大な謎に迫る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かんやん
37
数学は発明か、発見か?「思考の産物である数学が、なぜ物理的対象に巧く適合するのか?」(アインシュタイン)いわば、数学の不条理なまでの有効性。数学を崇めるピタゴラス教団、プラトンのアカデミアから、数学を天文学に適用したガリレオ、神の存在を論理的に証明しようとするデカルト、天体の運行を支配する重力に神を見出すニュートンetc彼らはプラトン主義で、一方、形式主義者は数学を抽象的で知的なゲームと見なす。しかし、役に立たないはずの純粋数学が、のちに科学に適用されるばかりか、数学的予想に現実が従うこともある。つまり→2019/06/25
やいっち
33
数学には(も)門外漢の小生だが、数学の魅力に嵌って久しい。古代ギリシャ(あるいはその前から?)の昔から、数の持つ想像を絶する力には多くの哲学者らが問いを投げかけてきた。このところ、文系の本が続いたので、久々に理系(っぽい)の本を読みだしてた。 数学の持つ異常なまでの有効性は何故なのか。そもそも多くの定理や証明などの数学的構造は、発明なのか発見なのか。その問いかけは、哲学や芸術などのジャンルを超えて、永遠の謎として、これからも探求が続いていくのだろう。 2017/09/29
鐵太郎
26
この場合の神とは、宗教的なそれより「この世界を作った絶対の存在」と考えるべき。この命題に挑むため、数学は発見なのか発明なのか、についての視点で論じます。数学が人間の人知が及ぶ前から当然に存在したものならば、それは発見に過ぎません。ならばこの世界の森羅万象を説明しうるツールとしてもっとも汎用的な数学は、神自身の手になるもの。しかしこの世界を説明するために人間がこのツールを作ったのなら、数学は発見されたものと言うことになります。どちらなのか。──結論について言いたいことはあるけれど、これは面白い数学論ですね。2019/03/09
roughfractus02
11
人間が先か、数学が先か・・・数学は人間の発明品か、人間が発見する客観的実在かという論争は、数学的対象の実在に関する問いとなって数学史のあらゆる場所に出現する。本書は、数学を後者と思わせる二面、「不条理な有効性」と「受動性」を紹介する。前者は説明できないが有効なケースであり、言語的論理で説明不能なものが数理的に説明できる場合であり、後者は結び目の美しさに惹かれて個々に取り組む問題が超弦理論で一気に花開く場合だ。一方で著者は、生物学など数学で記述不能な場合を挙げつつ、脳は数学で記述可能である点を付け加える。2018/02/27
spica015
11
数学がなぜ宇宙や自然を説明できるのか、人間は数学を発見したのか発明したのか、という壮大なテーマだが、歴史に登場する様々な数学者たちがたくさん紹介されていて、彼らのエピソードが楽しめるだけでも十分面白い。業績を残した数学者が、必ずしも幼少の頃から高等教育を受けていたわけではないというのが凄い。数学と論理学との関係を述べていた章が興味深く、例を挙げて素人でも分かりやすく説明してあるのが嬉しい。数学の本ではあるが、最後に哲学書から引用されていた一節が印象的だった。2018/01/21
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