内容説明
きのうまで田中角栄は日本の英雄であった。日中国交回復と列島改造を叫んで華やかに登場してきた男が、実はいま金権政治の元凶として裁かれている。首相の座が金で買われ、政治が金で動かされていった戦後保守支配体制下最大の構造的腐敗の暗部を、厖大な取材データの分析で実証する著者執念の記録。
目次
まえがき
PART I
田中角栄研究──その金脈と人脈
著者自身による解説──(1)
「田中角栄研究」の内幕
著者自身による解説──(2)
PART II
「田中角栄金脈の結着」に異議あり
著者自身による解説──(3)
新星企業“金脈商法”の疑惑をついに追いつめた!
著者自身による解説──(4)
田中金権ますます健在
著者自身による解説──(5)
“田中金脈”裁判傍聴記
著者自身による解説──(6)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobody
15
立花隆の怖さは前史(背景史)にある。これは本質は歴史にありという信念からくるものだ。よく読解力のない者が『日本共産党の研究』を日共の戦前党史と評するが、あれは戦前党史で終わってしまったものだ。『中核VS革マル』でもインパクトがあるのは「抗争前史」だ。「田中角栄研究」もそうだった。純白のキャンバスに、突然角栄が汚物を撒き散らした訳ではない。汚物の撒き散らし様式は権力のしきたりとしてとっくに確立されていた。例えば証券会社は実際上打出の小槌だ。角栄は既成の様式に従っただけである。ところが「研究」は専ら角栄叩きに2021/07/11
Booske40
3
大学生の頃、貪るようにページをめくった日々が懐かしい。この1冊から立花さんとの長い旅路が始まった。今にして思えば、ロッキードのロの字も表に出ていなかった時期に34歳の若さで角栄を困らせた執念は凄すぎる。解散と再結成を繰り返し、身を削って調査と取材を敢行していたわけだが、皮肉も込めたユーモラスな表現が端々に見られ、意外にも楽しませてくれる。2022/05/11
A.Sakurai
3
立花隆は「知のソフトウェア」しか読んでいないことに気がついて,有名な文藝春秋の記事「田中角栄研究」が載っている本書を読んでみた.田中角栄のお金遣いの粗さは知れ渡っていたので,そのお金がどこから出てくるのか記事にしたらおもしろいんでないか.その程度の軽い気持ちだった.ウワサされていたカラクリを,公開されている記録(=戸籍,法人登記,政治資金報告書)だけから論を組み上げていったら,とんでもない”疑惑”になってしまった.特ダネなんかではなく,調べれば誰でも分かることだったというのがなんともおもしろい.2012/09/30
Jack Amano
2
立花隆氏を一躍有名にしたものです。彼自身、これを書くことで、田中角栄を政権の座から引きずり落とすことではなく、金権政治を「政治には金はつきもの」「政治に裏があるのは当たり前」といった感覚が日本にかなり深く浸透していたことを問題視し、それを改める機会にしたかったと考えていたようです。角栄氏は、カリスマ的ボスの魅力を持ち、ブルドーザーのような実行力を持っていたのも確か。そちらの面ばかりが最近では称賛されているようです。歪んだ政治手段の究極の姿でもあったかなと。その名残が今でも政界に残っているようなのが残念。2024/12/11
moonanddai
2
ミステリーのアリバイ崩しを読むような…。しかしこのような資金構造をデザインしたのは誰なのだろう?田中自身?側近?プロ?2013/06/14
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