内容説明
20年間に40回以上も中国奥地の農村を訪れリサーチを行ってきた著者は途轍もない貧困を目撃。一方、トウ小平が提唱した「才能を隠して内に力を蓄える」の外交・安保の方針は、習近平によって破られ、アメリカに挑戦を始めた。これは中国3000年の歴史の中で最大の失敗。カネも知識もない9億人の貧農を競争力の落ちた4億人の都市住民が支えるのは絶対に不可能。中華思想的なメンツから造る3隻の空母が中国経済の息を止める
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本
106
中国の農村に住む9億人の農民と都心部に住む4億人の農民工に焦点を当てた一冊。農村部でのフィールドワークを20年以上行ったのであれば、もう少しそういった体験談も読みたかったり。帯に「9億の貧農は怒り、蜂起した」とあったが本の中では農民の蜂起は起こり得ないとある。切り口は面白いが「戸籍アパルトヘイト国家」という単語を印象付けたいのかな、と思ってしまう内容だった。2018/03/25
ちさと
30
東スポの見出しみたいな帯「周近平の人種差別政策に9億の貧農は怒り蜂起した」し、、たの?したいってこと?本文中には農民が反乱を起こしても武装警官によりすぐ鎮圧されるからどうってこと無いと明記されていますが…。お米大好き風土論者による反中ベストセラー。米を作り続けた日本人は共同体感覚がばっちりだからすごい、中国は小麦も作ったからだめ、みたいな内容でした。他者を貶めて私たちは偉いって、品がない。こう言うのを卑しいと言う。ご専門の農業についてはとやかく言いませんが、もう少し中国勉強してきてくださいと申し上げたい。2019/01/17
kawa
23
鄧小平が「先富論」を主張したが、中国の農民9.3億人は、3.8億人の都市住民に搾取され、依然として豊かになる見込みがない気の毒な状態を、中国の現状を交え、解り易く論じられている。まあ、そうは言っても、そのことが標題の「中国の崩壊」にどのように繋がるかまでは、明解にされているとは言い難い内容。2018/01/13
skunk_c
22
タイトルから嫌な予感がしていたのだが、それ以下と言っても良いかも。著者の専門は農業で、中国に何度も行って知見をお持ちのようだが、それで1冊ものすことができなかったのか、第2章では中国の歴史からその「ダメさ」を説き起こしているが、きちんとした論証もなしにこき下ろすだけ。読んでいて気分が悪くなった。同様の傾向は習近平の評価にも当てはまり、ただ文革直後に比較的高年齢で大学に行っていたことをもって彼の教養がないとする。都市戸籍と農民工の格差など的確な指摘があるのだが、こうした粗雑な部分で価値を下げている残念な本。2018/06/09
スー
21
65人口13億人の内、都市に住むのが4億人で9億人が農村に住んでいて、どの家に生まれたかで身分が決まる国。経済を支えているのが農民工という農村からの出稼ぎの人達で酷い状況で働かされている。農村出身者は身分が低いと蔑まれていて出世するには軍か武装警察に入るしかない。共産党は彼等を手懐ける為に天下り先を用意しているので生活が保証されている。中国は武人が高い地位についた歴史が短く隋の時代から科挙が導入されトップは科挙合格者で武人は下っ端に甘んじなければならずその結果中国は他国との戦争では連敗続き。科挙の試験も2019/04/26