- ホーム
- > 電子書籍
- > ビジネス・経営・経済
内容説明
IT業界「多重下請け」の実話
この過酷な労働環境は過去の話なのか!?
本書には2つのことが書いている。
1つは、IT業界の末端で働く人から見た世界だ。昨今は「働き方改革」が叫ばれるが、現場を無視した働き方改革など全く意味がない。改革を進める人たちはどれほど現場を知っているのだろうか。間違った改革をしないためには現実から目を背けてはいけない。単純に労働時間の短縮を進めても、そのしわ寄せは立場の弱い人のところにいくだけである。
もう1つは、システム開発に関わる立場によって見えている世界の違いだ。システム開発には、発注企業の業務部門、システム部門、受託したITベンダー、その下請けとなるソフトハウスなど、様々な立場がある。立場が違えば見える世界が違うのは当然。だが、得てして人はそれを忘れてしまう。優れたシステムはよい環境からしか生まれない。「あの現場は最低だった」と言われる環境で優れたシステムができるわけがない。良いシステムを開発・運用するには、システムに関わるすべての人を理解することが欠かせない。本書には、下請けソフトハウスのプログラマのほか、設計担当者、システム部門の責任者、業務部門の社員など。それぞれの視点で見えた世界を書いている。
ITに関わるすべての人に本書を読んでほしい。優れたシステムはよい環境からしか生まれないからだ。IT業界の働き方改革を進める人にとっては、本書は本当の現場を知ることができる貴重な存在になるだろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のりたま
2
SE派遣時代の地獄の日々の心理状態が、専業非常勤講師のときの自分と酷似していて、辛くて読み進めるのに時間がかかった。這い上がるチャンスはゼロではないが動けなくなってしまっているところ、それについて自分を責めるところがリアルだった。業務部門に移ってからの後半になると、本来この人は優秀だったことがよくわかる。高校のときの病気がきっかけで進学校だったのに大学に進学せず脱落してしまうところは、改めて、ちょっとしたことで人生が変わるのだと怖くなった。2025/01/20
冬原晩
2
少し意地悪な書き方かもしれないが、日本の情報システム(特に業務システム)を巡る状況をこう考えている。 (1)品質は悪いがとりあえずユーザーに検品OKもらう。 (2)SIerは保守契約を結ぶ。出来は悪いがシステムは手がかかる(=もうかる)。 (3)ユーザー企業は保守費用の負担が重く、新規開発に予算を回せない。 (4)新規案件が減る。 (5)若手に新規開発を経験させる機会が減少する。 (6)ITエンジニアの技術力が低下する。 (7)日本のIT業界は弱体化する。 (p.228)2018/11/23
masu
2
IT業界が多重下請け構造になっていることは経験上知っているが、1990年代前半時点で既にこのような最悪な状態だったことは知らなかった。現在も根本は変わっておらず、社会の歪は相当根深いと感じた。 確かにどんな職場でも姿勢次第では学べることはあるが、低賃金で激務の中(時に理不尽な理由で)、モチベーションを維持することは簡単ではないと思う。 もし効率よく学べることがあるのであれば頑張ることも意味があるが、そうでない場合や心や体に危険を感じた時にはそこから思い切って抜け出す勇気も必要と感じた。 2018/01/13
ぞだぐぁ
1
業界は違うが、下請けなのでプロパーに変なヤツが居たときの状況がわが身の様に感じられた。2018/05/29
ikngtty
1
SE職場にも色々あるので、ここで描かれているようなことが実際に起きている職場、そこまででもない職場、代わりに別の闇を抱えているような職場があるようにも思う。とにかく、一人のSEの体験した物語としてそこそこ楽しく読めた。 著者は途中、SEからユーザー企業に転職する。受注する側とされる側、両方の視点が語られるのが良いところ。2018/05/23
-
- 電子書籍
- 無職転生 ~異世界行ったら本気だす~【…
-
- 電子書籍
- 乱れからくり(単話版) 【後編】 co…
-
- 電子書籍
- Googleデータポータルによるレポー…
-
- 電子書籍
- あおば鰹 料理人季蔵捕物控 時代小説文庫
-
- 電子書籍
- Autodesk AutoCAD 20…