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内容説明
日本語には正書法がない。漢字を受容し、仮名を生み出した日本語は、多様な書き方の選択肢をもつに至った。歴史をたどり、その意味を問い、日本語の書き方の本体に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HMax
32
「面白い、凄い、に単純化できないことが沢山ある。そうしたことの味わい深さを感じてもらいたい。」と言われても、小ネタ好きの私は細かな所に目が行ってしまいます。片仮名の「ウ」が「宇」のウ冠を取ったどうして分かるのか?明治6年刊行小学読本は漢字平仮名交じりで書かれ、寺子屋の教科書よりも簡単な内容だった。その30年後にできた第一期国定教科書は片仮名のみと更に簡単になった。 何にせよ、漢字廃止論が実現されなくて本当によかった。2022/04/14
ま
28
「近時、この『歴史』あるいは『連続』という感覚が希薄になっているのではないか」(あとがきより)。なかなか難しかったけど、現代人としてのバイアスを徹底的に排し、時代時代をフラットな視点で観察しようとする真摯な態度はすごく伝わってくる。2022/06/13
びっぐすとん
15
108円本。以前誰かのエッセイで「フィンランド語の正書法が難しい」とあり、「正書法って何?日本語では聞いたことがない」と思っていたら、日本語にはそもそも正書法が無かったのね。「はな(flower)」は花でもはなでもハナでも正解だから。現代人の感覚では漢字かな混じり文が当たり前過ぎて、漢字だけ、仮名だけの文章なんて読みにくいばかりだが、今の形になるまでの変遷がわかった。明治や戦後の漢字廃止論が実現しなかったのも日本人が漢字を拾い読みしながら全体を把握しているからではないだろうか?(私はその傾向が高い)2019/09/01
活字の旅遊人
12
序章がかなり哲学的で、難解に思えた。また、現代人には、前半の漢文嵐も馴染みにくいと感じた。でも、漢字廃止論までいかない、穏健な日本語論は安心できる。この著者をしばらく追ってみよう。幸い、沢山一般書がありそう。2020/11/17
イボンヌ
11
副題にあるように、日本語の表記の部分についての歴史がテーマです。話し言葉ではなく。漢字が入って来た五世紀から仮名が生まれるまでは漢字のみですし、明治頃までは漢字と片仮名表記なんてすねぇ。 そして縄文時代は文字が無かった。大陸や半島からの渡来人がもたらしたのでしょう。2018/02/22