ちくま新書<br> 死刑 その哲学的考察

個数:1
紙書籍版価格 ¥1,034
  • Kinoppy
  • Reader

ちくま新書
死刑 その哲学的考察

  • 著者名:萱野稔人【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2017/10発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480069870

ファイル: /

内容説明

人の命を奪うのが、死刑という刑罰だ。その存廃をめぐり、今なお意見は鋭く対立し、決着をみることはない。凶悪犯にはやはり、死刑をもって対処すべきなのか。賛否それぞれの根拠を問い、多くの人が死刑を支持する真の理由を探究。道徳の根源まで遡りながら、道徳とは何かを明らかにし、さらに政治哲学的な考察へと向かう。これまでの論争を根底から刷新する、究極の死刑論の誕生!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

80
死刑という制度を文化、道徳、法理論、感情など多面的に考察するという意味で、とても勉強になる一冊だった。国民の80%が死刑を容認する日本特有の文化を相対主義と普遍主義のどちらで捉えるか、「人を殺してはいけない」という道徳に根拠はあるのか、カントの主張する道徳の絶対性の意味と彼の死刑肯定論との整合性、そして、私自身がこれほど重大な因子になると認識していなかった冤罪の問題など、哲学的考察の対象は深い。人間の応報感情と調整するものとして著者が提案する終身刑の是非については、もう少し自分の考えを整理してみたい。2020/10/02

GAKU

61
死刑制度を肯定的、否定的両面から、論理的、哲学的に考察ししている。主張としてはどちらも五分五分といったところ。死刑制度に関する本は今までに何冊も読んできたが、結局のところ是非の明確な答えを出す事は出来ないと思う。最終的にはその人、個人個人の判断でしかないのでは。私としては著者が紹介していた、1700年代の法学者、経済学者であるベッカリーアが主張する『終身隷役刑』に興味を覚えた。 2018/11/20

壱萬弐仟縁

51
死刑をめぐる考察は必然的に哲学な考察にならざるをえない。本書の目的は、その死刑を哲学的に考察することにある(013頁)。「死刑は日本の文化だから欧米人は口出しするな」と考える人は、さらに「死刑が文化だからという理由で許される理由に入るのはなぜか」という点まで説明しなくてはならない(031頁)。宅間のような犯罪者を処罰するためには、死刑よりも、死ぬまで牢屋からでられない刑罰、仮釈放のない終身刑のような刑罰のほうがよいのでは(070頁)。2018/01/16

ころこ

38
第3章ではカントの定言命法から、応報感情が根源的な規範原理であるため道徳的な議論では死刑を否定できないという逆転を論じます。第4章では公権力にとって冤罪はニュートラルではなく、その活動から必然的に生み出されてしまう権力的なものだと、これまた一般的な議論をひっくり返してみせます。一見すると前者は死刑廃止の、後者は死刑存置の論拠になり得るように思えますが、本書の優れたところは、両者が逆の立場の論拠として論じられる深さにあります。第5章で浅瀬に出てきます。「哲学の世界では、「無条件的な赦し」といった概念で死刑を2021/03/06

テツ

37
人が人を裁くということ。しかもその裁きの究極は、罪を犯した相手の存在をこの世界から完全に拒絶するという凄まじい暴力性に満ちているということ。僕自身は死刑残置に賛成なのだけれどそうした考えに固執することなく、こうして賛成も反対も両側からの意見を頭が痺れるまで読み込んでひたすら考えていくしかないんだろうな。人が人を裁くなんて本来傲慢極まりないシステムであるということは百も承知だけれど、それで社会が動いているのだから仕方がない。論理と感情と。なかなか混じり合わないものをぶつからせながら思考は続く。2019/04/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12279392

ご注意
リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。