文春新書<br> 軍人が政治家になってはいけない本当の理由 政軍関係を考える

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文春新書
軍人が政治家になってはいけない本当の理由 政軍関係を考える

  • 著者名:廣中雅之
  • 価格 ¥896(本体¥815)
  • 文藝春秋(2017/10発売)
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  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166611447

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内容説明

憲法改正を争点に総選挙が行なわれようとしている。安倍内閣は、9条に自衛隊の存在を明記することを目論んでいると言われる。それはそれで必要なことかもしれない。しかし、その前に議論すべき重要な問題がある。わが国は戦後70年以上にわたって、自衛隊を「軍隊ではない」としてきた。その反動で、国民は軍事的な問題を考えることから隔離されてきた。民主主義国家における政治と軍事の関係――欧米諸国でさえ、この問題は常に緊張感をもって、日々研究されている。われわれは、その修練なしに、いきなり軍隊を持ってはいけないのである。

筆者は、東日本大震災のとき、統合幕僚監部運用部長という、自衛隊の作戦全体を考えるポジションにいた。そして、自衛隊の使い方をまったく理解していない政治家とのやりとりに、疲れきった経験をした。その体験からスタートして、アメリカ、イギリスで研究を続けた成果が本書である。
栗栖弘臣統合幕僚会議議長の解任、田母神俊雄航空幕僚長の解任、スーダンPKO日報事案、ダグラス・マッカーサー連合国軍最高司令官の解任、ジョージ・マーシャル元帥とフランクリン・ルーズベルト大統領の信頼関係、コリン・パウエル米統合参謀本部議長の湾岸戦争における判断、アフガン増派問題におけるマイケル・マレン米統合参謀本部議長の悩み、リビア、シリア内戦におけるディビッド・リチャーズ英統合参謀総長の判断、東日本大震災における折木良一統合幕僚長の判断など、生々しい具体的事例をもとに、理想的な政軍関係を提案する。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Haruka Fukuhara

14
政軍関係にはかねてより関心があったので、自衛官の立場からの信頼できそうな見解を知ることが出来て良かった。日本では文民統制、政治家が軍を押さえつけるという側面ばかりが強調されるがそれは政軍関係の一側面に過ぎない、政治は軍を信頼し、軍も政治を信頼する必要がある。民主党政権の批判は既に聞き飽きた感もあるが、自衛隊の御し方という意味でもやはり当時の政権は酷かったとのこと。自衛隊は米軍に学び、戦前の軍とは全く異なる組織になっていると何度も強調されていたのが印象的だった。2017/10/21

ロッキーのパパ

12
評価は★★★★(満点は★★★★★) 日本が置かれた軍事的状況に即して政軍関係を語る良書だった。いわゆる十五年戦争期の本をよく読むんだけど、目的がはっきりしていなかった。政軍関係という切り口で当時の状況を読み解きたいことが、知りたいことだと気づかされた。時間があれば政軍関係をもっと勉強したい。2018/01/11

7
紹介されているのを見て突発的にkindleで読んだが、いやぁ良かった。個人的に気になり続けているテーマではあるが、元自衛隊将官らしい視点が随所にある。田母神空幕長更迭問題にはっきりと踏み込んだのは良かったし、元米軍JCSのマレン大将や英軍統合参謀総長のリチャーズ大将の事例の紹介は目新しい。そして、これらの事例は、政軍関係が英米においてすら未だに完成してはいないということを気付かせてくれる。批判の対象になっている人もいるのだが、口汚い表現は無く、理性的な筆致に徹しているのもよかった。2017/11/05

kenitirokikuti

5
1974年、防衛大学校校長猪木正道は、防大の教育カリキュラムを改定し、国際関係論と(組織)管理学の講座を開いた。それ以前は理系のみだった2020/09/21

バルジ

5
おそらく政軍関係について簡便な形で知ることのできる唯一の書であると思う。 個人的には民主党政権でかなりマシな大臣であったと思われていた北澤防衛大臣が、自衛官から見ると自分達を信用していない大臣と思われていたこと、東日本大震災での政治家・官僚の軍事を把握していないが故の混乱など、中の人間だからこそ書ける内容も多々あった。 政治と軍事は国家にとって不可分の物であるが、それを適切に運用するための基礎的な部分ですら危うい日本の状況には嘆息しつつ、今後どうそれらが整備されていくのか注視していきたい。2017/12/07

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