内容説明
唐木田家は5男3女の8人兄弟姉妹。写真家の父は自由奔放で各地を飛び回っていつも家を空けており、しっかりもので優しい母が家を切り盛りする大家族だ。主人公で四男の志朗(小5)は、そんなほかの家庭とはちょっと違う大家族の面倒な点や、自分の自由が利かない点を厄介に思っていたが、そんなある日、長女の一子(22歳・保育士)の結婚話が浮上する。自分の教え子の父と、子連れ結婚をしたいという長女。反対する母。結託して姉を応援する兄弟姉妹。また、久しぶりに我が家へ帰ってきた父は、「今日からおまえたちの家族だ」と、知らない男の子を連れてきて――!? 疎ましくも愛おしい家族の絆を小学5年生の男の子の成長を通して描く、児童文学。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
67
父と母と8人兄弟の大家族、唐木田さんちの温かい物語。いとうみくさんらしい繊細な感情の描写が魅力です。児童書だけれど結構シビアな大人目線もありますね。ただこのページ数だと、どうしても描けるものに限りがある。もっとじっくり描いて欲しい部分もありました。昔「天までとどけ」というドラマが好きだったなあ、と懐かしくなりました。2019/07/16
ぶんこ
47
子供が8人の大家族。さぞドタバタした賑やかな家族物語と思っていたら、お母さんの躾の良さを痛感する家族でした。表紙絵の人数があれっ?と思いつつ読んでいたら、長女の結婚相手には2人の子供がいて、お父さんが子供を1人預かってきます。大家族だからこそ人が増えることに寛容なのかな。つくづく一人っ子家族と大家族の違いを考えてしまう展開でした。お父さんが頼りないと少し批判的な気持ちがあったのですが、猫を撮るときには猫をこわがらせちゃダメと翔太君に言ってたと知り評価急上昇。素敵な家族。2019/07/26
千穂
40
唐木田さんちは、五男三女の8人兄弟と、写真家でいつも家をあけているお父さん、しっかり者のお母さん、なんと10人もの大家族。保母さんの長女が結婚することになり、旅行先で知り合った4歳の翔太くんが加わり。家族の形はどんどん変わるんだろうね〜面白く読んだが、兄弟の名前は最後まで記憶出来なかったかも〜2021/06/14
いぼいのしし
18
児童書。素敵な家族だった。きょうだいの多い人が、弟妹から自分だけにいちゃんと呼ばれないと嘆いていたのを思い出した。こんな話を読むと、きょうだいが多いのがうらやましくなる。まあ実際には大変な事も多いのだろうけど…。2019/08/13
杏子
18
さすがいとうみくさん。最初から読ませてくれました。とうちゃんかあちゃん五男三女の十人大家族の物語。一番上の姉の結婚問題でバタバタし、それが片付いたかと思うと、とうちゃんが北海道から男の子を連れて帰ってきたり、この一家には大なり小なり騒動がつきものなんだろうな。でもいずれもほっこりすることばかり。この母、この父にしてこの子らあり!なんだろうな。最後の、翔太が帰ってしまったあとに、志郎が感じた「すうすう」がいつかまた埋まることはあるんだろうか。この一家のこれからをまた読んでみたい。2018/01/04