内容説明
独身で生きてきて悔いはないかと聞かれれば、意地にも悔いているなどとはいわないけれど、私としては他人さまに独身をすすめる気になれない。むしろ死んだつもりで妥協できるなら、一度は結婚したほうがいいというだろう。/「死んだつもりの見合い」 年老いてからは、幾ばくかの貯金と一匹の愛犬がいればいいといった人がいるが、女が体を張って生きている時期には、没頭できる仕事と心の支えとしての親がいればいい。外に七人の敵がいるのは男も女も変わりはない。/「足の先まで緊張して」 常識とは標準的な生活をしている人を基盤にしてつくられたものだろうから、家庭を持たずに生きてきた私などが異論を唱えるのは筋ちがいなのだ。そうは思いながら母の死に直面した私は、ことさら常識にさからった。/「試練」 多忙を恨むなかれ。多忙とは体中の細胞を躍動させる状況であり、細胞がフル回転する時期は人の一生で案外短いものだ。/「多忙の効用」 ほか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サツコ
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私も1人で生きて行くんだろーなって漠然と思ってるから、心意気の予習2017/05/18
竜崎
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p29「戦後の憲法で結婚は両性の合意のみに基づいて行えばいいきめ、親の同意を軽く弾きとばしたのは間違いだ。子どもの前途を予言できる天性を備えたのは親だけなのに。気楽でいいとかフィーリングが合うとか、あさはなかな根拠で生涯を決めてかかる娘のなんとおおいことか。」とあり、筆者は縁談結婚から恋愛結婚に社会が変化したことに対し、痛烈に批判している。そのため29頁で挫折し、そっと本を閉じた。2015/11/18
すいか
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女性ひとり。生きることを決断したときに、手にとりました。少し、意固地だなと思う部分もありましたが、自分なりの一人生きる感ができ、良かったです。2010/01/15
ともちゃん
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お母さまを突然亡くされた時のショックと後悔の部分は、想像を超えて精神的に大きなダメージだった事がリアルに伝わってきました。自分の死後は、親も子もいない自分の身の上と重なりサバサバした感じと、さみしい感じに共感しました。2018/11/07