内容説明
年収なんと2億5千万円の人気少女マンガ家が殺された。……「ぼくらの時代」のKTV殺人事件から2年経ち、ヤスヒコは今少女マンガ雑誌の編集者。彼が担当しているマンガ家が惨殺され、嫌疑は彼にかけられる。我らの薫と信の二人は親友の無実を証明すべく真相の究明に乗り出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
32
(再読)男も女も馬鹿だねェ、しょうもないねェ。だけどそんな男と女だし人間だからこそたまらなく愛おしいんだなァ。そんな栗本薫の思いの詰まったミステリー。用意周到かつ綿密な計画じゃない連続殺人だから人間味が滲んでしまう。そういうミステリーを通して人間を描く。そこがいい。裏切りや背信という過去を癒すのは己が力のみと締めくくりながら栗本薫が選んだB.G.M.はイーグルスの『ホテル・カリフォルニア』。結構なハードボイルドっぷりだ。けれども'70年代からの少女漫画ブームを知らないで読むのはかなりきついかもしれない。2015/12/30
Ryuko
25
「ぼくらの時代」の2年後。ヤスヒコは少女マンガの編集者に、薫くんは文章を書いて糊口をしのぎ、信はまだ大学生。一人サラリーマンとなったヤスヒコが殺人事件に巻き込まれる。ヤスヒコのために奔走する信と薫。殺人事件の真相よりも三位一体になれなくなった3人の寂しさが際立つ。続けて「ぼくらの世界」もいきたいけど、他の小説のネタバレがあるとのことで、それらを読んでからにしたい。「ぼくらの世界」既読なんだけどね。全く覚えていない。( ´艸`)2019/01/07
gushwell
15
若い頃読んだ本を再読。「僕らの時代」をまず読もうと思ったのだけど、本棚に見当たらないので(たぶん処分してしまったと思われる)第2作目の「僕らの気持ち」を読む。 久しぶりに推理小説らしい推理小説を読んだ気がする。 1979年に書かれたものだけど、古さはほとんど感じない。というか、本当に40年前に書かれたの?とビックリです。 最初の出だしからすーっと物語に入っていけて、一気に最後まで読んでしまいました。2019/04/20
agtk
13
ぼくらシリーズ第2段。数十年ぶりの再読。一作目が話題に取りあげられることが多いけど、今読み返してみると、こっちの方が断然おもしろかった。再読だったので、久々に読んだとはいえ途中で犯人はわかった(思い出した)けど、薫くんの語る推理はワクワクした。さぁ、次は「ぼくらの世界」だ。楽しみ。2019/02/09
背番号10@せばてん。
12
1989年2月5日読了。正式なタイトルは『ぼくらの気持』(平仮名の〈ち〉が入らない)。修正したいが、やり方がわからない。1989/02/05