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内容説明
長篇小説はなぜイギリスで、短篇小説はなぜアメリカで発展したのか。エッセイという形式はどのようにして生まれたのか……小説から詩、エッセイ、伝記、歴史、批評、戯曲まで、古今東西の作品を次々に繰り出しながら、文学の大山脈を奔放自在に探索し、その真髄に迫る。湯川豊による「最晩年の十年」を新たに加えて選書化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あきあかね
24
短編小説、長編小説、伝記·自伝、歴史、批評、エッセイ、戯曲、詩といった文学に関わるあらゆる分野についてのインタビュー集。丸谷才一の該博な知識とユーモアある語り口に魅了される。 作中人物の魅力、文章の個性、筋(ストーリー)という3つのポイントから「長編小説」を評価し、学問(内容を伝達する力)の円とエッセイ(文章の歯切れの良さ)の円の重なり合う部分として「批評」を捉える。 こうした大きな理論、枠組みを提示する一方で、豊富な例示や引用によって奥行きと瑞々しさがもたらされている。⇒2020/03/22
amanon
7
インタビュー形式ということで、さらっと読めるものの、その内容は恐ろしいほど重厚。恐らく字面だけを目にして理解した気になった箇所が少なからずあるのでは…と遅れてしまうほど。他の人も述べているとおり、とにかく丸谷氏の文学への深い理解と膨大な知識に圧倒されることしきり。未読の本はもちろん、既読の本の読みについても、自分の読みの浅さについ恥いってしまう。そして、本書の内容が、単に丸谷氏の博覧強記ぶりに根差すものではなく、氏の周到な用意が背景にあったという逸話も印象的。後、氏の晩年のエピソードが何とも重たい。2024/05/25
原玉幸子
4
網羅している書物と解説の深さが圧倒的。対談形式が読み易い上に批判の背景に説得力があるので、結果良書の推薦が際立つことになっています。2015年は同氏の推奨本を少し追ってみようかな、と思いました。(◎2014年・冬)2019/12/14
Yasuyuki Kobayashi
2
超一級の文学論である。謙虚でありながらも、発言は力強く 淀みない上にユーモアや優しさにあふれている。2019/07/08
青色
2
読む前に期待した内容とはちょっと違ったけどまあ面白かった。登場する近代文学をほとんど読んだことがなかったので巻末の読書案内を活用したい(こうした本で案内をきちんと載せてくれる本はそれだけで好印象)。ただやはり私はインタビュー形式の本はちょっと苦手みたい。取り上げられた『歴史家の文体』という本が今は1番読んでみたい。2017/07/02