内容説明
大手レコード会社学芸部長の井沢信介は交通事故をきっかけに、人気テレビタレントの沢木直子と妹・亜由美の姉妹と知り合う。信介は二人との交流を深め、亜由美の作った詩を歌にすることを思い立つ。やがて、翳のある信介と孤独を抱く直子は惹かれ合い、また亜由美は信介に憧れていく。だが、信介には妻・冬子がいた。夫婦の間には、終戦直後の二十二年前に起きたある事件の記憶が暗く横たわっていた。それでも直子は……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみえ
9
ご夫婦の辛い体験は癒されることはないだろう。寄り添う二人が痛ましく愛しいが、いっそ別れたらどうなのか?とも考えた。また若者たちが輝いて見えたのは歳のせいだ。2017/09/23
たかこ
8
戦争を経験しているかいないか、そんな時代のせいで結婚観はかなり異なると思われる。世代の違うおじ様1人と性格の異なる2人の姉妹。正直おじ様の井沢モテ過ぎと思いつつ、私もたぶん惚れるだろうな…と思った。井沢とその妻の冬子との間にある戦後の辛い思い出は癒される時が来るのだろうか。美人タレントだった姉の直子が1人でしっかり生きていけるのだろうか、妹の亜由美が姉のコンプレックスから解放され、独り立ちしていけるのだろうか、そしてそれぞれの結婚生活はどうなるのか…。希望が持てる終わり方の恋歌だった。2017/12/19
バーベナ
5
美人キャスターの姉と保育士の妹。姉へのコンプレックスを徐々に客観視すると同時に、自分の進む道を見つけ始める亜由美。彼女たちが心惹かれる中年男性:井沢は、仕事ができて、恋愛には無骨だけれど(いろんな意味で)押さえどころは間違えないという、くらくらするぐらいちょっと素敵なおじ様。そんな彼と妻の間には戦時中の不幸な過去が・・・。それぞれの立場で皆、真摯に『生きる』ということを考えていて、恋愛小説のくくりにするだけじゃもったいないくらい。1967年に書かれたものとは思えない新鮮さがありました。2014/03/29
みとん
3
『親鸞』で意外と読みやすい作家さんだと発見したので・・・。600ページ越の大作だったので、時間かかるかな~?と思ってたけど、結構あっさり読めてびっくり。途中まで、そんな昔の時代だと気づかずに読んでましたが、1960年代のお話らしい。美人で派手な姉と大人しく地味な妹の姉妹を中心にした大人の恋愛模様。きっかけは妹亜由美が交通事故に遭ったことから始まり、不倫や嫉妬、姉に抱くコンプレックス、セックスレスなど。姉を羨ましがるばかりだった妹が、ちょっとずつ背伸びをして変わっていく感じがいいと思いました。2013/02/19
あさみ
1
★★★☆☆2011/04/20
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