内容説明
満州事変、血盟団事件、五・一五事件、二・二六事件……昭和初年から日本を震撼させ、結果として軍部の台頭と日米開戦を招いたテロや陰謀の当事者たちが文藝春秋に寄せた肉声を集成。彼らは何を目指し、どう行動したのか。現代に通じる教訓は何か。日本を取り巻く国際情勢が緊迫するいま、知っておくべき昭和史の真実を集めた一冊。
(※本書は2015年4月に刊行された「文春ムック 太平洋戦争の肉声 第4巻 テロと陰謀の昭和史」を底本にし文庫化したものです)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くらーく
2
戦後、日本が復興した後に書かれた本人の文は、まあ信用ならんわな。どうしても自分がかわいいし、話は盛ってしまうし。参考程度に読む。しかし、反省しない人たちだな。だからこそ、あのようなポジションに立てるのだろうけど。自分には到底考えられない(能力も無いし)。 戦前の座談会は、よく読んでおいた方が良いだろうな。学者である神川氏の発言と軍人、政治家たちの状況認識の差たるや。人の意見を聞いて自分の認識を確認し、誤っていたら直す姿勢は重要だよなあ。経験からの思い込みが激しすぎるわ。信念の人、こだわりの強い人は要注意。2019/05/18
ポルポ・ウィズ・バナナ
0
「国家を客観的に見られなくなる習性。昨今の日本と似てきたことは寒心に堪えません」辻政信、真崎甚三郎の回顧の信用ならなさ。荒木貞夫の精神論。軍部は不祥事に対して責任をとらない。明らかに無能な人物に対する盲信。ぜんっぜん一緒やん。2018/04/20
Eiji Nanba
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昭和史のキーマンたちの「肉声」で語られた「あの日、あの時」。時には自己正当化する表現もあり、すべて鵜呑みにすることはできないが、当事者の言葉だけに、迫力は満点。かつて大学院での恩師が、「研究においては、第1次資料に当たりなさい」と度々おっしゃっておられたことを思い出しました。2018/04/07
bittersweet symphony
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東京裁判で大川周明が東条の禿げ頭を二度も平手で叩いたあと、精神病院でコーランを原典から全訳した話がフィナーレ。2018/02/27