内容説明
▼ライプニッツ研究において、これまで「矛盾」とみなされてきた、被造物の「自発性」と「依存性」。この両概念の並存可能性を立証するとともに、予定調和の世界でも人間は自由であることを示す力作。
▼被造物における「自発性」と「神への依存性」という矛盾する二つの根本性格は、いかにして両立しうるのか。本書は、ライプニッツ哲学の「神と被造物の関係性」、「世界創造の始源」に焦点を合わせ、哲学史上の大問題を解決することを試みる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月をみるもの
13
自由と必然が道徳という名のもとに統一されるというのは、まるで孔子晩年の境地みたいだなー、、と思ってたら、次のページでまさにそう書かれていた。ライプニッツは康熙帝と同時代人なんだな。。それはさておき「充足理由律」の Wikipedia の記述が面白いっす。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%85%E8%B6%B3%E7%90%86%E7%94%B1%E5%BE%8B2020/11/27
ポカホンタス
4
著者の経歴が面白い。無人島生活をしたり、各地を放浪したり、徒歩と野宿だけで日本縦断したり。そんな著者の博士論文をもとに本書が書かれている。できる限りわかりやすく書かれているので、確かに読みやすい(しかしさすがに哲学書なので難しいところもたくさんある)。世界は、神と人間との協働によって作られる、という学説は大変魅力的。ますますライプニッツに興味を持った。2021/09/25
ニッポニテスは中州へ泳ぐ
1
☆=4/5 自由意志と世界創造の関係について、ライプニッツがどう考えていたかを丹念に追う。かの哲人が想定していたのは「毒親としての神」でも「世話焼きで過干渉な神」でもない、被造物に対して適度な介入を行う神だった。なので、一神教によくある父権的傲慢さは払拭されている。 ざっくり言えば神は介入相手の自発性を尊重した「ナッジ」的な介入をする、「リバタリアンパターナリズム」的な関係を被造物と結んでいるという説。 依存と自発は共存可能な概念である事を、両概念の内実を丁寧に吟味しつつ証明していく二章が面白かった。2020/10/24
eraser head
1
自発説と依存説についてライプニッツの中で、いかに無矛盾なものとして、理解することができるか、神の意志と神の知性との関係や最善世界の選択根拠としての道徳的必然性の重要性等、とても勉強になった。また、紙幅の都合により脚註において更なる問いの存在を指摘するに留めているあたり、今後の著者の仕事もフォローしていきたい。特に、第六章の註1で触れられている現代において神義論をどう評価するかについて、本書の立場がどのような見通しを与えるのか、気になった。2017/10/06
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