岩波新書<br> 定常型社会 - 新しい「豊かさ」の構想

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岩波新書
定常型社会 - 新しい「豊かさ」の構想

  • 著者名:広井良典
  • 価格 ¥814(本体¥740)
  • 岩波書店(2017/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004307334

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内容説明

経済不況に加え,将来不安から閉塞感をぬぐえない日本社会.理念と政策全般にわたる全体的構想の手掛かりは何か.進行する少子高齢化のなかで,社会保障改革はどうあるべきか.資源・環境制約を見据えて,持続可能な福祉社会のあり方を論じながら,「成長」にかわる価値の追求から展望される可能性を提示する,問題提起の書.

目次

目  次
   はじめに──「成長」に代わる価値とは

 第1章 現代の社会をどうとらえるか─環境・福祉・経済─
  1 基本的枠組み
  2 二つの対立軸──富の成長と分配

 第2章 個人の生活保障はどうあるべきか─ライフサイクルと社会保障─
  1 「インフォーマルな社会保障」とその解体
  2 これからの社会保障

 第3章 福祉の充実は環境と両立するか─個人の自由と環境政策─
  1 機会の平等と潜在的自由
  2 社会保障と環境政策の統合

 第4章 新たな「豊かさ」のかたちを求めて─持続可能な福祉国家/福祉社会─
  1 「成長」という価値──経済システムの進化
  2 定常型社会──時間観の転換
  3 新しいコミュニティ──定常型社会における個人と公共性
   参考文献
   あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おおにし

18
2001年刊。今から20年前にこんな脱成長後の社会を構想していたことに驚く。ゼロ成長が続く現実を直視しない政治家もまだ多いが、そろそろの現実を受け入れて、持続可能な「定常型社会」について真剣に議論するべきだと思う。本書の議論は2019年刊「人口減少社会のデザイン」に引き継がれているので読むならこちらがよい。最後の「自助」「共助」「公助」の政策比較を読むと、今の自民党は「共助」から「自助」へシフトしてきていること、「公助」重視の野党が財政再建志向というねじれ現象が今も続いていることがわかって興味深い。2021/01/23

もりの

11
利益追求と福利社会は共存できないのかな?読んでて暗い気持ちになりました。2017/03/07

とーとろじい

4
定常型社会というコンセプトはわかるものの、その実現のために消費税増税や医療の擬似市場化を推進し小さな政府を志向する著者の意見については完全に同意はできない。情報の消費社会に入ったことで資源の減少に歯止めがかかるというのも楽観的な見通しではないか。とはいえ現代の価値観が著者のいう定常化社会の方向へ進んでいるのは間違いない。世界政府=地球規模の社会保障は実現しそうにないが。2021/07/03

ophiuchi

4
経済成長が政治の目標になってしまっている現状に疑義があり探してみたら、こうした本が何冊かあって説得力もあると思うが話題には登らない。日本の目指すべき方向だと思うのだが…2013/11/17

はの

3
経済システムの三段階の説明や 定常社会の3つの定義などが興味深かったたが、 読んで一番の収穫がJ・S・ミルのこの文章を知ったこと。 「もしも地球に対しその楽しさの大部分のものを 与えてくれるもろもろの事物を、 富と人口の無制限なる増加が地球から ことごとく取り除いてしまい、そのために地球が 楽しさの大部分のものを失ってしまわなければ ならぬとすれば(中略) 私は後世の人のために切望する。彼らが、必要に 強いられて停止状態にはいるはるか前に、 自ら好んで、停止状態に入ることを」 ミルの言葉が、強く響く。2013/09/04

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