内容説明
美人シャンソン歌手の失踪に挑む本格推理。
若き美人シャンソン歌手・伶子が忽然と姿を消した。その行方を追っていた私立探偵・真木が軽井沢の別荘で発見したのは、絞殺された彼女の死体だった。
事件の背後に潜む真相を解き明かしたい真木は執拗に追及を続ける。友人、家族、仕事仲間……、次第に浮かび上がる歪んだ人間関係。
隠蔽されていた人間の本質を緊迫感みなぎる筆致で描いた本格推理長編「公園には誰もいない」と、単行本未収録の小編「密室の惨劇」をカップリング。
日本ハードボイルド小説の旗手・結城昌治の豪華2編を収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ayah Book
10
ハードボイルド探偵もの。あまりにもロスマクさんっぽい。行方不明の美人シャンソン歌手を捜す物語だが、その歌手が金持ちの家のお嬢様だったり、捜索場所が軽井沢という別荘地だったり、やはり日本というか外国を舞台にした小説のよう。犯人もロスマクさん風。好きなんだろうなぁ、アメリカのハードボイルドが。。。という内容。雰囲気はとても良いし、語りもニヒルでかっこいい。2021/05/06
しゅー
4
流し読みで読了してしまったので感想が出てこない。 古い小説ではあるが、読めるってすごいことですね2019/02/12
ranako
1
探偵がかっこつけすぎ2023/08/14
深川拓
1
シャンソン歌手失踪の謎を追う長篇と、単行本未収録の短篇を収録。長篇は細かに文章を刻んで読みやすい。過去を匂わせつつも淡々と謎を追い、関係者たちの闇を静かに探り出すさまに無駄がない。終盤で地の文での推理が長くなるのが少々アンバランスですが、個人的にはハードボイルドの理想型に近い。短篇は見事なワン・アイディア。油断してると急に話が終わります。2020/05/17
CEJZ_
1
1P16行。小学館P+D BOOKSというレーベルは注目していて、時々チェックしている。わたしは電子書籍よりも紙の本で読みたいので、その本を取り扱っている書店へ行って、選んで買って読んでいる。結城昌治という作家のことは全く知らない。著者紹介によると直木賞作家とのこと。この作品は1967年のもので、長編推理小説。ハードボイルド調の探偵ものだった。会話文が多く読みやすかった。ほかにごく短い小編「密室の惨劇」を収録。こちらは1961年、雑誌「高校進学」に掲載された単行本未収録作品とのこと。 2018/03/24