内容説明
牟礼家の次男、昌二郎は12歳。気が優しくて曲ったことが大嫌いなのだが、家族から邪魔者扱いされるので反発して悪戯ばかり。味方は、婆やのお民だけ。ある日、誤解と行き違いから異母兄と喧嘩して大怪我をさせてしまい感化院へ……。しかし、そこで出会った友達との生活で本来の気性を取り戻していく。小粒だがぴりっとしたまるで“胡椒”みたいな少年の成長物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
51
面白かったです。時代背景に生活や家族や様々な人々がしっくり馴染んでいて古き良き空気を醸し出していました。ほのぼのします。2021/01/21
ユメ
36
獅子文六の生み出す子どもは、なんと生き生きしていることだろう。「胡椒息子」との異名をとる昌二郎君からたちまち目が離せなくなった。獅子文六の描く子どもは、ただ元気いっぱいなわけではない。彼の作品は、子どもは大人が思っている以上に物事を深く考えているのだということを思い出させてくれる。昌二郎君がその真価をピリッと発揮するのは、ひとりだけ母親が違うということできょうだいに虐げられてからだ。腕白小僧が実はどれほど健気で思慮深いか、胸を突かれる。誰もが幸せになる道を十二歳にして決断した昌二郎君、天晴れだ。2018/01/26
プル
27
屈強を超えた人は強くなる。お金持ちの人だって、貧乏人だって心優しく精励と清く正しい人もいると思いますが、与えられたどんな環境でも、正しく見る方向を間違えずに行動して生きていくことって大事なのですよね。獅子文六さんの作品って、読んだ後、スカっとしますね。これもその一つ。2017/11/09
みゆき
23
獅子文六の既読作品の中で一番良かった。胡椒息子ってそういう意味だったのね、って分かった途端の爽快感。家族から邪魔者扱いされる牟礼家の次男・昌二郎。邪険にされるのは出生の秘密があるからで、決して彼のせいではない。彼は反発して悪い子になろうとするがなりきれない。だって根は良い子なんだもんね。男の子あるあるがいっぱい。男児ふたり育てた私には「悦ちゃん」より共感できた。お手伝いの婆やお民さんとその家族の温かさがいいなあ。ゴンズイこと田島くんとの友情も。子どもが持つ逞しい生命力に拍手。著者の眼差しはいつも温かい。2023/12/19
りえこ
20
とても読みやすく、とても面白かったです。この時代の生活や家族や様々な関わる人達がとても個性的で人情味があって素敵でした。意地悪しても、本当に悪い人はいないというか、昌二郎が可愛く逞しく成長していて面白かったです。2019/11/27
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