竹書房怪談文庫<br> 実話奇譚 呪情

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竹書房怪談文庫
実話奇譚 呪情

  • 著者名:川奈まり子【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 竹書房(2017/09発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784801912243

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内容説明

怪異の起こる土地や物件――そこにはそれらが記憶する陰惨な過去が隠れている。
リンチ殺人の現場近くに住む人たちに起きた不可解な出来事「見殺しの代償」、事故物件を見に訪れたところ…「しがみつく六人」、著名人の墓を巡るのを趣味とする人が出会った奇妙な男「墓地の掃苔家」、陰惨な事件を記憶する土地にまつわる怪談「欠番の家」など圧巻の61話を収録。
誰もが気づかぬうちに踏み入っている忌み地、出ることは叶わない。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

242
川奈まり子さんの土地にまつわる全61編の怪談噺集は奇を衒わず当然の如く淡々と語られるだけに心胆寒からしめる迫力を感じますね。こういう本を読むと自分の育った土地が怪異現象と無縁な場所でよかったなと身に染みて思いますよね。『K町団地』K県K市の某町はほぼ全域が団地の敷地になっている。この団地の一号棟では一九七四年にペットを八階から投げ捨てて殺された飼い主が犯人の主婦に復讐した殺人事件があった。また一九八四年には十五歳の少女が最上階の廊下から地面に転落して死亡した。小嶋さんはペットの事件の時は小学一年生だった。2022/04/17

HANA

60
実話怪談集。内容的には土地の記憶を巡る旅と実話怪談が半々な印象。土地の記憶を掘り起こす方は江戸時代の考証随筆を思い出させるようで、戦前戦中や昭和の暗い部分を紙面に表したよう。陰惨な事件が多いのに、どこかノスタルジアを感じさせるような。ただ実話怪談の方は、ノスタルジアが悪い方に出てしまった感じ。聞き書きを主にしているのだが、殺人があった場所に住んで心霊体験するとか、城址の侍の幽霊、四回の鏡が怖かっただけの話など、現在の目で読むとぶっちゃけ怖くない話が多い。こういうのが廃れたのは、主観と客観によるものかなあ。2017/10/13

澤水月

24
過去の事件、土地の記憶を辿り読み解く怪談。都内のものは戸山公園(ガチヤバいすここ)など超ご近所もあり由来は知っていたが川崎の話は知らず。直前著の単行本より引用や読み解き部と怪談部のバランス良くなり格段に読みやすく面白い。土地ものと違う幾つかも良い、「埋没毛」は嫌やわ…!ごく一部土地の記憶トリビアだけで「現代」実話怪談でないのもあるが許容範囲かと。2017/10/05

あーびん

13
川奈さんの実話怪談は怪異の起こる土地の歴史や記憶に焦点をあわせており、怖いというよりも奇妙でノスタルジックな余韻が残る。震災や空襲で死んだ人々がすべて幽霊として現れたなら東京は立錘の余地もないだろう。幽霊にもそれなりの存在理由があるのか。「墓地の掃苔家」と同じようなものを街の人込みで見かけたことがあるのだけれど、あれはお化けだったのかな(汗)怖い話は好きだができればお化けは見たくない。2017/10/09

屋根裏部屋のふくろう🦉

9
再び川奈まり子。体験談だが、怪談話ではない。題名にあるように奇譚だ。短くまとめられて読みやすい。世の中には説明のつかない現象がたくさんあるが、過去に大きな被害(自然災害や戦争など)のあった場所は、重いカルマを背負った土地なのではないだろうか。『嶽神伝』に二ツという人物が登場するが、片方の手の指を失って残りが2本しかない。指がないにもかかわらず実際にあるように動作をしてしまうというようなことが書かれていた。ここにある『6本目の指』の幻肢痛もそれに通じるようで興味深い。2018/07/23

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