内容説明
専門の英文学のみならず、思考、日本語論など、さまざまな分野で創造的な仕事を続けてきたことから「知の巨人」とも称される著者のこれまでの著作群から、「無意識を使いこなす」「着想を古典化する」など、発想力を鍛えるためのヒントを集めた初の箴言集。 私自身、広い意味で、エッセイと言ってよい文章を数多く書いてきた。なるべく短く、と心がけて書いたものの、冗長に流れることが少なくなかった。もっと短く、味わいのあるエッセイが書きたいと願いながら、年をとってしまった。いまさら、どうすることもできない。そう思っていたところへ、「発想力や思考力を磨くヒントになるような箴言集を、これまでの著作から抜粋して作らせてほしい」と申し出てきたのがPHP研究所の出版部であった。(中略)本書の短いことばたちが、少しでも読者の役に立てば幸いである。(「はじめに」より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろき@巨人の肩
101
ベストセラー「思考の整理学」の著者・外山滋比古先生の過去作品からの名言集。基本コンセプトは「無意識」をフル活用して「考える」ために、脳に刺激を与えつつ、体調と生活環境を整えて「セレンディピティ」が起こるのを気長に待つ。最近は思考する動機について悩んでいたこともあり、「生活に根差した知識を求める」「考える基礎は“生活”」「天与の不満が原動力」といった言葉が刺さった。世間のトレンドに流されず、背伸びをしすぎずに、アウトプットが自分の生活で活用できるテーマについて、思考するように心がけよう。2023/05/05
Tadashi Tanohata
46
アウトプットすることはやはり最高だ。ただし、中身をなぞるような、読み手に媚びるようなものは避ける。読後即レビューするよりも少し寝かせるのも良い。ジャンルは偏らない。読んだ冊数を誇らない。レビューにかけて猛省、私の「読書の整理学」。2022/02/10
kawa
43
様々な著作からエッセンスを集めた「ベスト・オブ・外山滋比古」の趣き。が、各著作で展開される、やさしくて解りやすく、それで論理的な外山先生の持ち味が抜けてしまって、抜け殻の様で…。取りあえず、「本を読めば読むほど、ひとの考えを借りてものを見るようになる」「くり返して読みたくなる本は二冊か三冊あれば充分です。そういう本をたまに開いて、読んで、ところどころ立ち止まって自分の考えに遊ぶ」にアンダー・ライン。「出典一覧」は著作を確認できて嬉しい、外山著作8作目読了。2022/03/09
舟江
40
知識は有力であり、適当に使えば知識は「力」であるけれども、困ったことに、知識が多くなると、自分で考えることをしなくなる。また、ものを考える力を弱める読書は有害だ。という。久し振りに、骨のある本を読んだ。2019/08/15
BAR PLAYLIFE
34
“本を読んだら感想を書く“はい!読メはホント貴重な存在です!感謝!!2018/03/03