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内容説明
明治期の「美人罪悪論」から昨今の「誰でも美人になれる」へ、180度転回した美人をめぐるレトリック。「ブス」はタブーなのか? 面食いは愚かなのか? あえて容姿についてことあげし、発売当時賛否両論の大論争を巻き起こした問題の書、復刊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃんondrums
20
言いたいことは、上野千鶴子さんが巻末エッセイで述べてくれている。単行本は1990年、文庫版は1995年に出ていたが、この文庫本は今年に入っての復刊だ。「現代」の資料が1970、80年代なので古さは否めないが、面白く読んだ。この本は明治期の「美人罪悪論」以降現代まで「美人をどう論じてきたか」に終始し、「美人とは」には触れない。そこがじれったい気もする。今は、美人不美人を論じさせない圧力はないけれど、女はみな美人だと言いくるめる平等論的美人観はあるのかな。2017/07/12
Lieu
2
徳川時代の上流階級は正妻を家柄で選んだが、明治になると妻を顕示する機会が増え、社交に長けた美人藝者を正妻に据るようになった。面食いの傾向は商家にも広がった。成り上がった美人に対する女たちの反感の受け皿として「美人罪悪論」が生まれた。この本の面白いのは、結婚による階層移動はなるほど近代的であるが、家柄も容貌も生得的なものである点では同じ、という皮肉である。男たちが、少なくとも社会が流動的な明治初期にあっては、そこそこの階層以上であれば、学問を身につけるという後天的努力で立身出世できたのとは対照的である。2022/08/05
Gen Kato
2
「美人」にまつわる発言の変遷。そのときどきの価値観と差別意識が浮き彫りになっている。このごろでは女性の「美人」さをうんぬんすること自体の差別性が問題視されているせいか、男性の「イケメン」ぶりの方が露骨に語られるようになって来ている。それってどうなの、と考えさせられるところで読み終わる感じ。巻末エッセイの上野千鶴子がきっつい(「かれの言説的パフォーマンス」「かれの芸能」って…)2018/06/07
アツシ
1
建築史家の井上先生による美人論。期待を超える面白さでした。とにかく真面目にかつ論理的に美人論を展開していくのは桂離宮や法隆寺と同じ取り組み方で、笑いながら、感心しながら読ませていただきました。 最後の最後に上野千鶴子先生のエッセイも衝撃、笑劇でした。2022/11/06
nadaha
1
美人〇〇というフレーズがあふれかえり、~をしている中では美人、みたいなハードルの下げ方をしたり、誰でも美人だと煽る現代へと至った経緯を掘り下げる一冊。フェミニストが見たら激怒しそうな表現もたくさんあってバブル期の残滓を感じる。昔は高等教育を受けてる女は売れ残りのブスだの、仕事してるのは貰い手の無いブスだの散々な言われようだ。それより前の時代は美人を妻にするという文化が無かったので美人と遊ぶ時は遊郭、妻は家の奥に閉じこもって家事だけ、だったそう。女性が抑圧されているといえばそれまでだが、好し悪しなような…。2017/11/14
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