ちくま文庫<br> アレグリアとは仕事はできない

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ちくま文庫
アレグリアとは仕事はできない

  • 著者名:津村記久子【著】
  • 価格 ¥605(本体¥550)
  • 筑摩書房(2017/09発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480430755

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内容説明

「おまえなあ、いいかげんにしろよ!」と叫びたくなるほどの性悪女、アレグリア。男に媚ばかり売って、すぐ疲れたと言っては休み、ふて腐れて動かなくなる。ミノベの怒りはとどまるところを知らないのだが、まわりの反応はいまひとつ。コピー機に文句を言ってもねえ、と先輩は言うが……。表題作に、地下鉄で繰り広げられる心理戦を描く「地下鉄の叙事詩」を併録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

修一朗

90
複合機に殺意さえ持ってしまうミノベに,うんうんそんな機械殴り壊してしまえと思わず共感してしまう,そんなお仕事あるかる感のディテールは津村さんの真骨頂だね―。ちなみにオレはDVDレコーダーに録画したデータを端末に飛ばすアプリが大嫌いだ。こっちの焦りを見透かして途中で止まったり,突然落ちたりで毎日翻弄されっぱなし。思わずiPad画面をひっぱたいちまうのだ。生きづらい思いを抱えながら仕事をしている人は大変だろうけど,その中でやれることをコツコツとやって生きていくんだよ,といつもの応援メッセージ,やっぱいいです…2017/03/19

kana

78
《「何分休むんだよ!(略)死ね!働かないやつは死ね!」アレグリアはうんともすんとも答えなかった。》《こいつにどうにかして思い知らせてやりたい、と考える。人ならば可能だ。人ならば。》冒頭から笑った。噂の性悪複合機、アレグリアの話を遂に読む。複合機をよく使う人の多くは、そのままならなさ具合に1度くらいは殺意を抱いたことがあるのではないでしょうか。複合機に翻弄される人々は滑稽でありながら、労働者の悲哀を感じさせます。著者はいつも現代の弱い立場の労働者に巧みに光を当てますが、本作が一番お気に入りになりました。2014/08/08

さと

72
アレグリアとミノベの攻防を同じオフィスで見ているような…ただ見続けている自分に苛々してしまった。「でさ、どうしたいのよ」「他にすることないわけ?」って一言が漏れそうになり それを口にする類の作品ではないのか、「うんうんあるある」と倣わないといけないのか・・・。楽しむというより 自分がい次元にいる違和感を味わうばかりだった。2016/03/24

コットン

72
「おまえなあ、いいかげんにしろよ!」「何分休むんだよ!後輩ならロッカーで殴ってるぞ…」と素晴らしい剣幕の道具や機械が好きな女子社員『ミノベ』さんVS. A3からA1まで対応のプリンタ、スキャナー、コピーの複合機『アレグリア』との物語。高機能なスキャナーはスムーズで男性社員の歓心を買うが単純コピーでは「ウォームアップ中です。」と言い、休みながらの仕事。はては取説にないエラーコードを表示と…。2者の攻防の結末はいかに?!2015/08/25

papako

63
楽しみに読んだんですが、あまり楽しめなかった。登場人物たちが荒くれてたからかな。それでも表題作は、アレグリアという複合機と、その怠惰な仕事っぷりに怒るOLミノベの戦い。ミノベが機械や文房具たちと折り合いをつけていく心情は理解できるし、アレグリアに怒り狂うのも理解できる。なのに、あんまり楽しくなかったなぁ。そして『地下鉄叙事詩』ある満員の地下鉄に乗り合わせた4人の物語。満員電車あるあるはすごく共感できるのに。好きなパターンのはずが、やはり楽しめず。残念。2018/08/26

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