内容説明
贅沢はしないけれど、食卓には心づくしの料理を並べる。常にこざっぱりとして自分に合った装いを心がける。そして、まわりの人に優しく、でも嫌なことは嫌といい、心ゆたかに生きるには? 下町育ちの気風のよさで知られた名女優・沢村貞子が折々に綴った、日々の暮らしの楽しみ、浅草の人々の思い出、夫への愛情、老いへの心構え――。珠玉のエッセイ集が、待望の復刊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goma
10
下町育ちの江戸っ子である女優、沢村貞子さんのエッセイ。子供の頃の事、下町の暮らし、女優としての生活、日々の食事の事が綴られています。最近、食を見直し始めたので食の記述については興味深かった。食がメインのエッセイもあるそうなので、そちらも読んでみたい。2018/05/07
Ribes triste
7
日々の暮らしを丁寧に生きる、沢村さんの姿は美しいと思いました。こんな風に歳を経ていけたら素敵だと思うのです。2017/08/24
Koki Miyachi
2
昭和の名女優であり、エッセイストでもある筆者のエッセイ集。日々の生活で感じた出来事を女優であり一生活人でもある筆者が率直に語る。1986年刊行とかなり古く、時代のギャップを感じるかと思いきや、日々感じることに大きな違いはなく、共感できる内容が多い。印象的なのは、女優としての見方、女性の立場から感じる老いや美容に関すること。そして執筆当時80歳近い年齢で、若い世代やあまり礼儀を重んじない人々に向けた批判的なスタンスである。自分も知る祖父祖母世代とも共通する点で、その意味でも普遍性を感じた次第である。2023/03/12
平坂裕子
1
相変わらず、小気味の良い文章で 沢村節盛りだくさんであった。 「母宛ての葉書」で、30年前に出した1枚の葉書をお母様が大切に保管されていたのには、じーんと来た。 女優業の心得は、やはり大変な職業なんだと思った。2022/11/14
sidmar arai
1
名脇役の女優・沢村貞子のエッセイ集。 料理、家事、着物、夫、父母、そして、長年、女優として生きてきた彼女が感じたこと、憤ったことなどが正直に綴られている。 過度な生活を嫌い、慎ましく、静謐に暮らせればそれでいい。そういう人に憧れる。 誰もがわかる有名女優の立場でなければわからないような、悩みとか困ったことも書かれていて「なるほど」と思うエピソードも多かった。2019/02/06