内容説明
警視庁捜査支援分析センターに配属された神尾文孝は、超記憶症候群の上司、羽吹允をコンビを組むことになる。配属初日、日野市で発見された女性の遺体は銀色の繭に包まれ、美しいとも思えるものだった。都内で連続する事件。羽吹の記憶と洞察力が冴え渡る。
目次
第一章
第二章
第三章
第四章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
🐾Yoko Omoto🐾
154
見聞きしたあらゆるもの全てを完全に記憶してしまう、超記憶症候群という病を患う羽吹。他人に無愛想で無関心な彼を上司に持ち、悪戦苦闘しながらもその距離を縮めるべく奮闘する神尾。バディとなった二人が、プロファイリングを駆使し連続猟奇殺人に挑む、少しライトな警察ミステリ。犯人や動機についてはややテンプレ的ではあるものの意外性は十分にあり、登場人物全員のキャラが非常に丁寧に肉付けされている点がとにかく好印象で面白い。意味深な人物をちらつかせ次作への布石を打つ演出もまた巧く、今後の二人の関係性含めてとても楽しみ。2019/05/12
aquamarine
85
BLでは定評のある英田サキさんの一般レーベル作品。警視庁捜査支援分析センターに配属された神尾が、超記憶症候群という、見たこと経験したことをすべて記憶してしまう上司、羽吹と組んで連続殺人遺体遺棄事件に挑みます。事件だけでなく、キャラの造形も二人の距離や信頼関係の描写も細やかで、とても読みやすかったです。有栖川先生絶賛なのですね…タイガというレーベルゆえか、ミステリとしては正直軽めだと思いますが、警察や裏社会の多くのシリーズを出している作者ですので、期待をこめてシリーズのこの先もぜひ読んでみようと思います。2019/04/17
yu
83
Kindleにて読了。羽吹の抜け落ちた記憶。真の犯人。これは続きが読みたくなる。2019/11/02
アン
65
シリーズ1。超記憶症候群の羽吹と部下の神尾がバディを組み猟奇殺人事件に挑む。孤独で変わり者の羽吹の相棒が真面目で熱血刑事の神尾だから良いコンビ。優しくても図太さも持ち合わせているから羽吹の変人ぶりにも柔軟に対応できるところも良いな。アイダサキさんの刑事ものは納得の面白さ。羽吹の壮絶な過去と、謎に包まれた空白の時間。現在の事件と羽吹の過去と両方気になる展開で続きが気になります。 2018/10/16
よっち
56
警視庁特異犯罪分析班に異動した神尾文孝が、協調性ゼロだが優秀なプロファイラー羽吹允とコンビを組み、連続猟奇殺人の謎に挑む警察ミステリ。マイペースな言動で神尾を振り回す羽吹が抱える過去と、経験したもの全てを忘れることができない超記憶症候群。銀色の繭に包まれた美しいともいえる異常な死体を残す連続殺人事件。その記憶を活かして事件に繋がる鍵を探す過程で、噛み合わなかった二人が徐々にコンビになってゆくのがいい感じで、まだまだ終わらないことを予感させる結末に続巻をまた読みたくなりました。今後に期待の新シリーズですね。2017/10/04