改訂版 可能世界の哲学 「存在」と「自己」を考える

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改訂版 可能世界の哲学 「存在」と「自己」を考える

  • 著者名:三浦俊彦
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 二見書房(2017/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784576170619

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内容説明

究極の疑問の答えがここにある――

最強の思考ツール「可能世界」を徹底的に解説した名著、ついに文庫化!

 数学が嫌いだから分析哲学も可能世界論も敬遠しておこう、というのは、だから実にもったいない話なのです。分析哲学は思想の純文学、クラシック音楽のようなものです。哲学史を徹底的に軽んじながら、実はソクラテス以来の「概念分析」「言語分析」の思考法をそのまま受け継いだ、最も論争的でフェアな、正統派スタイルの哲学が分析哲学なのです。手軽なニューエイジ思想やポップ哲学と戯れることで文学的空想や宗教的法悦に一挙に飛躍しようとするよりも、一歩一歩の地味かつ地道な論証を積み重ねていった方がそうした超越的境地へ深く入り込める。そういった真実に、読者が気づく手助けをすることが本書の目的でもあります。(「序」より)

本書は『可能世界の哲学 「存在」と「自己」を考える』(NHKブックス・1997年2月)の改訂版です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おおにし

15
20年前に旧版に挑戦してみごと敗退してしまったが、今回は何とか読破できてうれしい。改訂版になっても難解な本であることには変わりがない。20年間で私の頭脳が成長したのか?単に縦組みの旧版が改訂版で横組みとなり、論理式が見やすくなったのが読破の理由かもしれない。この本の攻略法としては各種可能世界論の解説で心が折れそうになっても、量子論との比較が登場するところまで我慢して読むことだ。私は多次元世界解釈のところでついにロジカル・ハイを体験。2封筒問題の様相実在論+貫世界同定での解説には本当にシビレますよ。2018/11/11

月をみるもの

14
ルイスの様相実在論を学ぶと、エヴェレット多世界解釈との類似性が気になり、いろいろ探してたらこの本に辿りついた。テグマークのマルチバース宇宙論の話とかもちゃんと言及されてて感度高い。因果は反実仮想なくして定義できず、多世界をまたげるのは「意識」だけなのだとすると、因果の輪から抜け出す=「意識」がなくなるってことなのか。。死なずに意識=煩悩なくすのが悟りってこと? 2023/08/11

うつしみ

9
様相実在論はあまりにSF的なので整理が必要だ。誤読しているかもしれないが、私なりの理解を記しておく。まず、論理空間という宇宙(時空)を超えた場があると仮定する。飽和性の原則から、論理空間では起こりうることは全てどこかで起こっていなければならない。可能性の数だけ世界が存在することは必然的要請であり、論理空間には無限個の可能世界が存在している。可能世界は互いに独立で行き来はできないが、類似関係で結ばれた到達関係はある。もし○○だったら○○だっただろうという反実仮想は、可能世界同士の到達関係を述べた命題である。2023/09/14

猫丸

8
様相論理を集合論に還元するアイデア。「必ず〜する」とは「我々の近傍の可能世界すべてにおいて〜である」「〜する可能性がある」とは「我々の近傍に〜である世界が少なくとも1つ存在する」と翻訳する。数々のアポリアも発生するが、いずれも数学の枠内で議論可能となるから風通しが良い。さらに物理学と連携すると、可能世界が真に実在するとしても違和感がなくなる。当該分野に将来性を見たくなるのもわかる。2025/06/27

Z

8
前半部は教科書的によくまとまっていて勉強になったが、後半は応用的な側面が強く問題関心共有しないとあまり面白く読めないと思う。前半、可能や必然というshouldやcanなどを用いた論理学の公理をあげ、Shouldを義務、canを許可(権利)と言い換えれば、様相論理を使って倫理学に応用できる(この本では展開されていないが)や、可能世界論の類型がのっていたり、結構刺激的な視点が提示されており、面白かった。後半部は現実世界への応用というより、可能世界が実在するとしたらどのようなものかと、可能世界の論理的整合性めぐ2017/05/06

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