内容説明
昭和5年(1930)4月下旬。東京高田馬場に近い学生下宿で3人の青年が知り合った。青森の大地主を兄とする帝大生津島修治、新劇研究生の山田定一、そして非合法運動の活動家の佐藤浩蔵の3人である。エログロナンセンスからテロの時代へ、さらに非常時の時代から大戦争の時代へ、そして敗戦、「民主主義」の時代へ。史上空前の激動の20年間、この3人の友情はふしぎな綱渡りをしながらつづいて行く。むろん津島修治とは太宰治のことである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅
8
太宰さんがとても友達想いな人であることがわかった。面白かった。2011/08/11
nightowl
6
左寄りな自身の作風をパロディーにしつつ、戦後転向者への怒りを滲ませる作品。太宰治がテーマの引き立て役のようで、ちょっと影が薄い。転向者への怒りがテーマなら三好十郎「殺意 ストリップショウ(青空文庫:https://www.aozora.gr.jp/cards/001311/card47945.html)」の方が切れ味が鋭く、観客にも迫って来る勢いがあるのでこちらはいまいちと感じた。そつは無く水準点には達しつつも、のほほんとしすぎ?2020/07/18
那由田 忠
5
実際の劇は楽しめるかもしれないけれど、本として読むとどうなんだろうか。特に面白くはなかった。「インターナショナル」が盛んに歌われるのだけれど、これって普通の人にはどう聞こえるのだろうか。2015/01/20
ゆき
4
主人公・津島修治の青春の日々。太宰さんが執筆した小説に繋がるような出来事が散りばめられている。面白くて一気に読了。実際の劇を観たくなる戯曲。2012/11/24
rimi
4
高3の文化祭でやった劇。高校時代のみんなが頭の中で台詞を言ってくれてました。。中北さんとか、マダムとか、懐かしー★2010/05/16