集英社新書<br> ナチスの「手口」と緊急事態条項

個数:1
紙書籍版価格
¥1,012
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

集英社新書
ナチスの「手口」と緊急事態条項

  • 著者名:長谷部恭男【著】/石田勇治【著】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • 集英社(2017/09発売)
  • 天高し!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~10/6)
  • ポイント 150pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087208962

ファイル: /

内容説明

自民党が、ながらく憲法に加えることを狙ってきた緊急事態条項。災害・テロ発生時への対策だというのが表向きの説明だ。しかし、首相に権限を集中させ、国民の権利を制限するこの条項に別の意図はないのか。じつはヒトラー独裁の始まりは、ワイマール憲法に書かれた同様の条項だった。憲法学界の重鎮が、ナチ・ドイツ研究の最先端をいく歴史家とこの条項の危うさを徹底的に解明する。 【目次】はじめに――「憲法問題」の本質を見抜くために 石田勇治/第一章 緊急事態条項は「ナチスの手口」――大統領緊急令と授権法を知る/第二章 なぜドイツ国民はナチスに惹き付けられたのか/第三章 いかに戦後ドイツは防波堤をつくったか――似て非なるボン基本法の「緊急事態条項」/第四章 日本の緊急事態条項はドイツよりなぜ危険か――「統治行為論」という落とし穴/第五章 「過去の克服」がドイツの憲法を強くした/おわりに――憲法の歴史に学ぶ意味 長谷部恭男/参考資料 ボン基本法における緊急事態条項及び関連条項/参考・引用文献

目次

はじめに――「憲法問題」の本質を見抜くために 石田勇治
第一章 緊急事態条項は「ナチスの手口」――大統領緊急令と授権法を知る
第二章 なぜドイツ国民はナチスに惹き付けられたのか
第三章 いかに戦後ドイツは防波堤をつくったか――似て非なるボン基本法の「緊急事態条項」
第四章 日本の緊急事態条項はドイツよりなぜ危険か――「統治行為論」という落とし穴
第五章 「過去の克服」がドイツの憲法を強くした
おわりに――憲法の歴史に学ぶ意味 長谷部恭男
参考資料 ボン基本法における緊急事態条項及び関連条項
参考・引用文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こーた

109
安易なアナロジーは禁物である。だが読めば読むほどに、暗澹として気分は沈んでゆく。あまりにも似ているのだ。この国の現状が、ナチスが権力を握ったその「手口」と。われらが日本国憲法は崖っぷちである。いや、もはや崖下へ向かって真っ逆さまに落下しはじめているのかもしれない。それを再び引っ張りあげるために、この非力なわたしにできることといったら、せいぜいが本を読むことと、その感想を書くことくらいである。だからそれをやることにした。政治や憲法の本なんて、ほんとうは読みたくなんかないのである。(1/3)2017/11/06

おさむ

39
麻生副総理がポツリともらした「ナチスの手口に学んだらどうかね」。あの言葉から浮かび上がるのは、世界一民主的だったはずのワイマール憲法下でヒトラーが合法的に政権を握ったという通説。しかし、この本を読むと形式こそ合法的だが、実態は違法だったことがよくわかります。大統領緊急令、議事堂炎上令、そして授権法。矢継ぎ早に法律をつくり、独裁者となったナチスの手口。民衆は時の勢いに流されずに熟慮する事が唯一の抵抗なのかもしれません。もう少し噛み砕いた表現だともっと読みやすかったなぁ。2018/02/28

樋口佳之

21
ナチス以後のドイツ等の歴史を知る中で、緊急事態条項について考える視点を得ると言う有意義な内容。第二章 なぜドイツ国民はナチスに惹き付けられたのか は簡潔かつ網羅的で素晴らしいと感じました。/自国の過去に向き合うことは同時に、自分たちがどのような憲法原理を選び取ってきたのか、選び取りたいのかという意識をも喚起してきた2017/09/17

coolflat

19
ナチスが権力を奪取していく過程(ブリューニング→パーペン→シュライヒャー→ヒトラー)がよく分かる。麻生の「ナチスの手口」発言に危機感を抱く人は多い。麻生の解釈ではナチスは「誰も気づかない」うちに、しかも「みんないい憲法と、みんな納得して」、いわば合法的に政権を奪取したと言わんばかりだ。みんなが気づかないうちに改憲されていく。皆はそこに危機感を抱く。しかしそうではないという。民主制からナチ独裁制への移行は、最終的には言論弾圧と国家テロを使って無理矢理成立させた「全権委任法」が鍵となった。決して合法的ではない2018/05/08

ソングライン

18
前半はドイツワイマール憲法の緊急事態条項をどのように利用しナチが独裁政権を成立させていったかが述べられ、後半は戦後ドイツの行政府、個人に権力を集中させない緊急事態条項に対する縛りとナチ時代のホロコーストに対するドイツ国民の意識の変遷が語られます。学ぶべきナチスの手口とは何かと疑問を持ち、読んでみました。2019/01/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12169290
  • ご注意事項