講談社学術文庫<br> 朝鮮紀行

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講談社学術文庫
朝鮮紀行

  • ISBN:9784061593404

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内容説明

英国人女性旅行家イザベラ・バードが朝鮮を訪れたのは、1894年、62歳の時のことである。以後3年余、バードは4度にわたり朝鮮各地を旅した。折りしも朝鮮内外には、日清戦争、東学党の反乱、閔妃(びんひ)暗殺等の歴史的事件が続発する。国際情勢に翻弄される李朝末期の不穏な政情や、開国間もない朝鮮に色濃く残る伝統的風土・民俗・文化等々、バードの眼に映った朝鮮の素顔を忠実に伝える名紀行。

目次


著者まえがき
第一部
序章
第一章 朝鮮の第一印象
第二章 首都の第一印象
第三章 コドゥン
第四章 ソウルの種々
第五章 旅支度/朝鮮の舟
第六章 漢江とそのほとり
第七章 漢江とその人々
第八章 自然の美しさ/急流
第九章 婚礼にまつわる朝鮮の風習
第十章 朝鮮馬/朝鮮の道路と宿
第十一章 金剛山の仏刹
第十二章 長安寺から元山へ
第十三章 迫りくる戦争/済物浦の動揺
第十四章 牛荘/満州
第十五章 満州の洪水/奉天
第十六章 奉天
第十七章 奉天の動揺
第十八章 長崎/ウラジオストク
第二部
第十九章 朝鮮の国境
第二十章 新しい帝国
第二十一章 国王の誓告/国王と王妃
第二十二章 過渡期/「正月一五日」
第二十三章 朝鮮史の暗部
第二十四章 李ハギン氏/葬礼にまつわる風習
第二十五章 坡州から松都へ
第二十六章 松都から平壌へ
第二十七章 北へ、いざ!
第二十八章 徳川から平壌へ
第二十九章 朝鮮の女性の地位
第三十章 キリスト教伝道団
第三十一章 「まげ」/朝鮮版ヒジュラ
第三十二章 国政改革
第三十三章 教育/貿易/財政
第三十四章 朝鮮のシャーマニズム
第三十五章 朝鮮のシャーマニズム(つづき)
第三十六章 一八九七年のソウル
第三十七章 最後に
原注

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

138
この著者は日本や中国そしてこの朝鮮を歩き回ってそれをまとめた著作をいくつも発表しています。とくに朝鮮には数回も行っており日本より深く研究したというかかなり興味を持ったのでしょう。ただやはり人々を見る目というのは先進国的立場の人が後進国の人を見るような感じがします。かなり細かいところまで観察はしていますが。2016/05/30

HMax

38
これはもう面白い。バードさんは、凄いの一言。 どう考えても当時の朝鮮なんかに女性が1人でいって生きて帰ってこれたとは、それだけでも凄い。極東-東アジアの、時代の一大転換のまさにその現場に立っていた、東学党の乱、日清戦争、閔妃暗殺、等々。明の皇帝から朝鮮という国名を貰って始まった李氏朝鮮の時代から国勢の転落が始まったのがよくわかる。朝鮮国内では役人に搾取されるものがないように貧乏で過ごす一方、満州やサハリンでは立派に生活している朝鮮人。2020/07/03

saga

38
著者の紀行文は『日本奥地紀行』以来だ。李氏朝鮮の末期、発展途上の朝鮮半島は、維新後の日本以上に酷かった。また、秀吉が行った侵攻によって日本人に対する憎悪が朝鮮人を支配していたのは、その後の日本と韓国・北朝鮮との関係を思うと辛いものがある。李王朝の統治の旧さと拙さ、日清戦争を経て、ロシアとの関係が難しくなる時代だった。著者の探検家魂は、現代の高野秀行氏に勝っていると感じた。2019/12/30

竹園和明

38
英国人旅行家イザベラ・バードが19世紀後半の朝鮮を隈無く旅したレポート。各地の町人街にまで足を運び、人々の暮らしぶりを具に記している点が驚き。文字数が多く読むのに一苦労しましたが、昔の朝鮮の様子を鮮明に理解出来ました。19世紀頃の朝鮮の人々は精神的支柱がなく、劣悪な環境下で単に毎日を繰り返しているだけのような印象。案外“生きているだけ”というのが生きるという事の答えなのかも知れないな…と思ってみたり。自分にとって朝鮮は謎が多く不思議な国。こういうのを調べて行くのも面白いものです。やはりアジアは魅力満載!。2018/04/04

ヨーイチ

33
今度はバード女史の朝鮮紀行。時代は日清戦争の前後頃。前半の最後で日清戦争準備の為日本軍が駐留する様を目撃している。そのために一旦長崎に渡って、女史の旅行は中断している。前半と後半のソウルの変貌振りが凄い。まあこれは我が国も同様なのだが。当時の日本と朝鮮、清帝国、その東北部、ロシアの関係と介入はとても入り組んでいて、ときほぐしながら、考えながら読み進めた。当時の朝鮮事情は想像以上で、色々と面白い話がてんこ盛り。日本との差異の理由は何だったのだろう。チャイナ由来っぽい貴族(両班)制度に官僚主義。続く2015/09/28

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