内容説明
羊水検査、母体血清マーカー、NIPT(新型出生前検査)……出生前診断への関心は、妊婦さんの高齢化とともにますます高まり、検査技術の進歩によって、妊婦さんが知っておくべきことも増えています。本書では、出生前診断の現状、そして検査を受けた人たちの葛藤や決断をまとめ、検査を受けることを考えている人はもちろん、どの検査を受ければいいのか、そもそも受けるかどうか迷っている人にも役に立つ情報を網羅しました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フクミミ
10
もう産める歳をとっくに過ぎているが、妊娠適齢期の時には頭にあった「出生前診断」。自分ならどうするか・・・当然考えた。実際に診断を受けて出す答えはぎりぎりまで自分を追い詰めて出したものだろう。産む決心も産まない決心も尊重されるべき。回りがとやかく言うべきではないと思う。2017/09/28
アセロラ
8
出生前診断って、障害や病気があった場合に中絶するかどうか判断するため、というイメージがありました。ですが、様々なエピソードがあり、障害や病気がわかって受け入れる、諦める、心の準備をする、など、当事者の状況や気持ちの変化がよくわかりました。「母体も胎児も、できるだけ安全な状態で産めるように」検査をするのです。意思決定には、夫婦や家族で医師や遺伝カウンセラーなど専門家からの話を十分に聞いたうえで、納得が大切です。障害や病気がわかった場合に、予め転院しておくなどの事前準備に役立てることが印象的でした。2020/05/30
カナコ
7
自分自身も32歳と36歳での出産だったので、36歳での出産の時はクアトロテストを受けるか迷った。実際は夫婦で話し合って、ここで障害が確認されなくても、発達障害など産後にしかわからない障害もあるから、結局受ける必要はないという結論を出した。それに日に日に胎動がわかるようになると、産まない選択をするのはかなりの覚悟。決断する時間が限られていて、すごく難しい選択を迫られる。もう子供を新たにもつ予定はないけれど、妊娠中の不安定な気持ちを思い出した。この話はすべての妊婦にとって決して他人ごとではないこと。2017/12/18
Humbaba
6
情報を手にしたからと言って、誰もがそれを有効活用できるとは限らない。結論を下した後も、本当にそれが正しかったのかを悩むことも多くあるだろう。どのような決断をしても、完全に後悔がないということは難しい。だからこそ、どうすれば納得できるかを考えて、そのために情報を集める事が大切である。2017/11/26
G-dark
4
出生前診断を勧めるわけでも批判するわけでもなく、受けてもいいし受けなくてもいい、胎児に異常が見つかったからといって必ずしも中絶しないといけないわけでも中絶してはいけないわけでもない、という考え方をしている本なので、妊婦さんやその周りの方々が読んでも「自分たちの選択は責められている」と辛い気持ちにならずに読める本です。自分の命について決断するのも難しいのに、自分以外の人の命について決断するのは更に難しいですよね…。悩んで当たり前だと思います。正解なんて無いんだし…。自分たちが納得出来るか出来ないかだから…。2018/04/16