白水Uブックス<br> 裏面:ある幻想的な物語

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白水Uブックス
裏面:ある幻想的な物語

  • ISBN:9784560071984

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内容説明

巨万の富を持つ謎の人物パテラが中央アジア辺境に建設した〈夢の国〉に招かれた画家は、ヨーロッパ中から集められた古い建物から成る奇妙な都に住む奇妙な人々と出会う。画家はこの街の住民となり、数々の奇怪な体験をするが、やがてパテラの支配に挑戦するアメリカ人の登場と時を同じくして、恐るべき災厄と混乱が都市を覆い始める。幻想絵画の巨匠クビーンが描くグロテスクな終末の地獄図。作者自筆の挿絵を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

59
「パノラマ島奇譚」に代表される様に地上に理想郷を作る話は数多い。本書もそのうちの一冊に数えられるのだろうが、数多の作品と本作が一線を画すのはその内容。この国で語られるのは薄明の中を影が彷徨っているようなぼんやりとした悪夢。理不尽な官僚機構や神経症的な幻想、そして尽きる事の無い閉塞感が主人公を常に苛む。そして夢は必ず覚めるもの、後半の地獄の様相、畳み掛ける悪夢は、黙示録を思わせる気高ささえ感じさせられた。そして最後の部分の幻視に至るまで、まさに巻を措く能わず。徹頭徹尾、悪夢を彷徨うような読書体験であった。2015/03/22

藤月はな(灯れ松明の火)

38
『さかしま』、『パノラマ島奇譚』を連想させるような優美だが歪なものが崩壊するさまをグロテスクに描いた物語。一人の男が生み出した閉鎖空間でありながらこの世の全てが内包された夢幻都市ペルレ。しかし、静かな狂気による秩序や構成によって保たれていた夢の国は一人のアメリカ人の登場で崩壊していく。その先にあったのは狂乱と屍の山と永遠の命という神聖を失ってしまった創造主。偽物も本物も語り/騙り次第であっという間に引っ繰り返り、永遠は一瞬にしか宿らない。アメリカ人は現実でありながら幻を打ち砕くものの象徴なのかもしれない。2015/10/20

KI

17
僕が作った箱庭には、僕は住めない。2019/02/07

りんたろう

13
★★★★2017/08/31

rinakko

13
逃げ場のない悪夢に捕らわれたまま、蒼白い夢の都の崩壊までを見届ける。という暗澹たる話だが、すこぶる引き込まれた。夢の国の君主パテラから移住の招待を受けた主人公は、誘いの声に抗うことなく妻を伴う。太陽の光なく常に叢雲垂れこめた町で見るのは、密かな信仰のきずなを伺わせる不可解な人々の姿だった…。不安と閉塞感の漂う陰鬱な光景に倦むどころか、何故かその異様な眺めに魅入られたまま先へ先へと頁を繰った。まさに悪夢の中の悪夢…主人公自身の見た不気味極まりない夢が中盤に差し挟まれ、そこからの展開はもはや転げ落ちるようだ。2015/03/15

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