内容説明
自由でオープンな場として構想されたインターネット。だが今や、巨大企業が金を稼ぐ領地と成り果てた。人々の全ての行動を記録し、マネタイズするネット上でささやかな自由を満喫するだけでいいのか。IT産業の内部を知りつくす企業家・作家が解決策を提案!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本 正行
27
確かにインターネットは便利である、暇潰しにちょうどいい。勉強や仕事にも、有効に活用できる。反面でなにか重大なものを喪っている。この本の表題、「自由」、考える自由、行動の自由など、ネットなどに制約されると思わない自由が、知らないうちに制約を受けている。朝起きると、PCやスマホの電源をオンし、寝る直前まで観ている。影響を受けないはずがない。それは、そんなにいいものだろうか、人間の長所をどんどん削り取っていく。それがわからない。知らないうちに能力も判断力も低下していく。しかしネットを使わない、それも無理がある2023/07/13
Francis
13
著者はかつてオーディオカフェというインターネット関連会社を立ち上げて失敗したこともあるインターネット企業の起業家。その経験を下に、インターネットには社会を変革する力があることを認めつつ、Facebookのザッカーバーグ、Amazonのペソスら「リバタリアン」的なインターネット企業家がいかに現実を酷いものにしているかを容赦なく暴く。とは言え著者は今はインターネットは思春期にあるので、その思春期を終わらせて成熟期を迎えさせることによりネットが本来持っていた理想を取り戻せると考えていることに救いを感じた。2018/05/22
ヤギ郎
12
原題:The Internet is not the Answer. 起業家としてシリコンバレーの内側にいる著者が、インターネットの発達の中で誕生したGAFAをはじめとする巨大IT企業が社会にどのような影響を与えるかについて論じた一冊。多くの文献の引用や関係者の発言を詰め込んでいるので、読みにくいが、シリコンバレーを取り巻く言説を知る上では興味深い。前半ではインターネットの成り立ちを振り返りながら、後半で巨大IT企業が社会に生み出した功罪を分析する。インターネットがもたらした自由とは何だろうか。2022/04/09
GASHOW
8
インターネットが便利に利用できるのは、無料のサービスが多いからだ。無料のサービスというのは実は、広告を利用した人の広告費から賄われている。広告を効果的にお金に変えるためには個人情報が必要になっているので、広告の利用に関わらず無料サービスの利用は個人情報が対価となっている。利用者は広告を利用するように常にコントロールされ、監視されている。そこには自由がないのだ。2018/03/11
センケイ (線形)
5
「ある」ほうが不自由という着想に目を奪われて読んだが、なるほど経済の大きな流れは個人では防げず、確かに自由と平等の実現がかえって難しくなりうる可能性を痛感する。経済的な思想に左右される点を置いておくにしても、権力との相性が悪いのは確かである。確かに、悲観的な論調は、当事者としての実感がこもっているとは言え、やや極端ではある。しかし、こうした危機意識を見つめることもやはり重要だろう。なお、カリフォルニアの現在の状況、家賃の高騰や昔からの住民が持つ不満等が見聞できるところもなかなか学びが多い。2018/04/30
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