「米中経済戦争」の内実を読み解く

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「米中経済戦争」の内実を読み解く

  • 著者名:津上俊哉
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • PHP研究所(2017/09発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569836515

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内容説明

大統領選挙期間中、トランプ氏は「中国製品に45%の関税をかける」という公約を掲げた。当選後の米中首脳会談では一転、中国側が貿易赤字削減のための100日計画を作ることのみが発表されたが、米中の世界経済における覇権争いには今後大きな波乱が訪れるのではないかと考える人も少なくない。本書では、中国経済の的確な見立てに定評のある著者が両国の今後を読み解く。特に、北朝鮮をめぐる「取引(ディール)」がすでに始まっている可能性があると説く。中国がこれまでの基本姿勢を改めて北朝鮮の現体制を崩壊させるように動く代わりに、在韓米軍が撤退する――日本にとっては極めて憂慮すべきシナリオも考えられるというのだ。さらに、後半の章では中国経済の行方を明快に解説。これまで極めて健全であった中央財政の赤字幅も急増しているという衝撃について語る一方、モバイルネットワークを活用した「ニューエコノミー」が急成長しているという明るいニュースも紹介する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kawa

33
著者は中国経済の適確な見立に定評があるそうな。中国経済をニュ-・エコノミ-とオ-ルド・エコノミ-に切り分けて、中国の国家や地方と密接につながるオ-ルドの問題点を指摘する。今から3~4年前の著作ながら問題点は今も変わらない印象。中国共産党(オールド・エコノミ-も含む)を亀の甲羅に例え、不快な甲羅を「脱いだら…」のアドバイスに、「僕はこれを脱いだら亀でなくなっちゃうんんだ」には笑えるし、そうなんだろうなと思う。中国をウオッチングする上で、継続的にフォロ-していきたい著者だ。2021/03/19

おさむ

24
文藝春秋の8月号で論考を書いていた著者が昨夏に出した新書。基本的には中国経済については長期見通しは悲観的。すでに米中は経済だけでなく、環境問題や中東、テロなど相互依存が高まっている。何より中国政府は大量の米国債という「経済核爆弾」を持つが、それを使うことはない、など米国にとっては楽観的、中国にとっては悲観的なシナリオだ。ただ、この1年で関税競争など通商戦争はさらに激化。北朝鮮問題などもからみ、なかなか先が見通しにくくなっている。予断を持たないというのが最も懸命な策かもしれませんね。2018/07/09

ネコ虎

9
米中関係や北朝鮮問題についての解説は全くの素人の評論でみるべきものはない。ああでもないこうでもないとどっちつかずのことを書き散らし、全く参考にならない。「はじめに」で著者が、過去の著作は中国経済の分析・解説を占めたが今回はスタイルを変えて、米中の政治・外交を書いたとしているが全くの失敗。後半で中国経済の分析をしているがここは流石に専門分野だけあって読ませた。しかし津上氏は中国経済を楽観視しずぎだ。新書とはいえもう少し突っ込んで書けないものか。餅は餅屋なのだから、中国経済だけ書いておけばいい本になったのに。2017/09/11

HMax

8
最近の中国の行動の源流は「没落し虐められたものに力がついて昔を取り戻す」と国民みんなが思っているよう。そうであればウラジオストックでさえ自分のものだということも理解できる。また政府の足元を見、先回りする、共産党に抑圧されるほど幼気な国民でもない。それにしても、知らない間に中国が世界第三位(1位日本、2位ドイツに次ぐ193兆円)の債権国になっていたとは。最後に「中国共産党が重くて窮屈そうな甲羅を着た亀に見える。そんな甲羅は脱いだ方が快適だよと何度も勧めるが、亀は首を横に振って、これを脱いだら亀じゃなくなる」2017/12/09

Hatann

4
2017年トランプ政権誕生後にアメリカにて見聞を広めた著者が今後の中国関係を語る。人を媒介とした情報を参考程度にとどめ、経済政策動向などをもとに政治状況についての仮説を立てる方法で論を進める。これが真実だなどとジャーナリスティックに迫るよりもよほど納得感を得ることができる。出版当時に記述された2017年後半の第2期習近平政権スタート状況の予測についてはほぼ当たっているといってよい。他方、北朝鮮問題と米中貿易戦争が並行的に続く状況について予想されていたかは分からない。現況についても意見を聞いてみたいものだ。2018/08/26

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